2021年8月17日、北米で遂に発表となった、新型Z。気になる日本向けの新型「フェアレディZ」は、今冬発表予定とのこと。ファンとしては、正式発表が待ち遠しいところだ。
それにしても、スポーツカーにとって厳しい時代であるいま、トヨタですら、GR86はスバルと共同開発、GRスープラはBMWと共同開発と、自社のみでの開発をしなかったのに、なぜ日産は、新型Zを開発することができたのだろうか。
文/吉川賢一、写真/NISSAN、TOYOTA
【画像ギャラリー】絶やすことなく響かせ続けたZの鼓動!! 継承された技術と思いを乗せて新型Z、出ます!!
■新型「Z」は、新しく見えるよう更新したモデル
完全リニューアルしたように見える新型Zだが、よく見れば、Z34の弱点を克服し、性能を引き上げる改修が施されていることに気がつく。
外装のデザインをブラッシュアップし、流行のデジタルメーターやインフォテイメントに更新したインテリア。新しいVR30DDTTエンジンや新型の9速AT、そして新しい電動ステアリングシステムといった主要コンポーネンツも更新。
また、フロントタイヤのワイド化(225/40R18を245/40R18へ、245/40R19を255/40R19へと変更)、ダンパーは前後共にモノチューブダンパーを採用、フロントのダブルウィッシュボーンサスもジオメトリを修正し、キャスターアングルを寝かせて高速直進性を上げている。
しかし、全幅や全高、ホイールベース、そしてスポーツカーの肝であるスタビリティに関係するリアトレッドやリアタイヤサイズなどは変えていない。いいところはそのまま維持した、という印象だ。
スポーツカーでは必ずと言ってよいほど触れられる重量配分とホイールベースの関係については、すでにZ34型で完成形となっているのだろう。
日産は公言しないかもしれないが、Z34をベースにした、いわばビッグマイナーチェンジ的な位置づけに近く、新型ZはZ34という完成されたモデルがあったからこそできた、スポーツカーだ。
そして、モデルイヤーの改良などで少しずつ手入れしてきた実績があったことで、日産は、スポーツカーのつくり方や強み・弱みを熟知していた。だからこそ、Z34の弱みを改修するかたちで、新型Zをつくりあげることができたのであろう。
コメント
コメントの使い方