いま世界が注目しているのは米国FRB(連邦準備制度)が今月11月から実行する「テーパリング」だ。これによってアメリカの金利は上昇すると考えられている。では、米国金利が上昇すると、日本国内のクルマのローンも高くなるだろうか?
今回は、「テーパリングとは何か?」「それによって日米の金利はどうなるのか?」などを、できるだけわかりやすく解説したい。
文/鈴木喜生、写真/写真AC
【画像ギャラリー】ローンの負担は馬鹿にならない! “買い”の好機は今!!(13枚)画像ギャラリー日銀が莫大なお金を垂れ流すのは、クルマを買いやすくするため?
2020年以降、新型コロナが蔓延して、世界中の景気が悪くなった。人々はモノやサービスを買わなくなり、企業は儲からないから工場や設備にお金をかけず、つまり人々や企業がお金を使わなくなったのだ。
では、景気を良くするにはどうすればよいか? 答えは簡単、みんながお金をたくさん使えばいいのだ。
ただし、個人や一企業の努力だけでは効果が薄いので、ここで中央銀行(日本の日銀や、米国のFRBなど)が登場する。活気ある経済状況を取り戻そうとした時、中央銀行は何をするか? その答えのひとつは、「国内(市場)に大量の現金を垂れ流す」だ。
なぜ中央銀行が市場に現金を垂れ流すと景気が浮上するのだろう? 世の中の「金利」が下がって、人々や企業がお金を借りやすくなるからだ。金利が下がればクルマや住宅が買いやすくなり、企業は設備投資や新たなビジネスのための資金調達がしやすくなる。
つまり、大量のお金を市中に供給し、金利を下げることで、消費活動を活発化するのだ。ニュースでよく聞く「量的緩和」とは、この中央銀行による現金の垂れ流しのことを意味している。
中央銀行がお金を垂れ流す方法とは?
では、どのように中央銀行(日本銀行)はお金を垂れ流すのか? なぜお金が垂れ流されると金利が下がるのか?
お金を世の中に大量に供給する手段として中央銀行は、自国の「国債」を大量に購入するという「買いオペ」を実施する。国債は「国債流通市場」で売買されているが、それを大量に保有しているのは銀行(我々が日常使うような民間銀行)や証券会社などの金融機関だ。
大金持ちの中央銀行が大量に国債を買うと、その代金として多額の現金が銀行などに渡る。銀行は現金をそのまま保有していても儲からないので、我々や企業にできるだけたくさん貸し出し、利子を取ろうとする。その結果、世の中にお金が供給されるのだ。
ここで重要なのは、中央銀行が大量に国債を買うと、「世の中の金利が下がる」ということ。次は、クルマ購入の際に損をしないローンを選択するためにぜひ知っておいてほしい、”金利が下がるメカニズム”についてご説明したい。
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