JAFが2021年10月18日に発表した「信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査」2021年調査結果によると、歩行者が横断歩道を渡ろうとしている際に一時停止するクルマの割合は全国平均で30.6%となり、前年の調査に比べて9.3ポイント増加。
しかし、なお約7割のクルマが、歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止していないという状況です。
JAFのデータでは都道府県別の一時停止率を公開していますが、最低は岡山の10.3%、東京はワースト2位の12.1%、最高は85.2%の長野県でした。2016年の調査開始以来、一時停止率がひと桁台の都道府県はなくなったそうです。
そこで改めて横断歩道でのルールとマナーを確認するとともに、一時停止率の都道府県別順位をまとめ、そしてベスト1位の長野県警とワースト1位の岡山県警にコメントを聞きました。
文/柳川 洋、写真/Adobe Stock(トビラ写真=Paylessimages@AdobeStock)
■歩行者のいる横断歩道では一時停止義務があるのに、7割のクルマは止まらない!
クルマで道を走っていて、信号のない横断歩道に人がいた時、あなたはどうしていますか? そのまま通過してしまいますか? それとも一時停止しますか?
JAFの最新の2021年調査によると、「信号のない横断歩道で横断歩行者がいた時に一時停止するクルマの割合」は全国平均でわずか30.6%。わずか10台のうち3台しか一時停止しないということだ。
道路交通法では、「横断しようとする歩行者がないことが明らかな時以外は、横断歩道の手前で停止できるような速度で進行しなければならない」。
また「横断歩道で歩行者が横断していたり横断しようとしている時は、車道を走行中のクルマは一時停止し、その通行を妨げないようにする義務がある」、と定められている(第38条1項)。
だから、信号機がない横断歩道で歩行者がいれば、ドライバーは必ず一時停止しなければならず、これに違反すると「横断歩行者等妨害等違反」となる。罰則は3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金、反則金は普通車で9000円、違反点数は2点。
この義務があるため、信号機が設置されていない横断歩道上で、歩行者相手に事故を起こしてしまった場合の過失責任の割合は、基本的に車両10に対し歩行者0となる。つまり歩行者には何の非もなく、100%クルマが悪い、ということだ。
それにもかかわらず、一時停止したクルマの割合は全国平均で30.6%。およそ10台に7台は違反を犯しているという調査結果になった。
だが昔はもっとひどかった。調査が始まった2016年の一時停止率は全国平均でなんとわずか7.6%。その後2017年は8.5%、2018年は8.6%、2019年はジャンプアップして17.1%、2020年には21.3%と、年を経るごとに一時停止率が明らかに改善してきた。
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