2021年11月28日に開催されたスーパーGT最終戦(富士スピードウェイ)は真冬の気温も相まってコースレコードを予選で更新するマシンも多く、かなりの好レースとなった。
なかでもGT300に挑み続けた61号車スバルBRZがついについにシリーズチャンピオンを決めた。これまでの長年のチャレンジを振り返りつつ、スバル、そしてSTIの快挙を速報版にてお届けしよう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:SPJ-JS、塩川雅人(ベストカー)、STI
※レース結果は11月28日15:30現在の暫定結果です
■挑んで、挑んで、挑んだ歴史
スバルといえば世界ラリー選手権(WRC)や全日本ラリー選手権などのラリー競技のイメージが強いかもしれないが、実はスーパーGTにも長年参戦を続けている。
振り返ればスーパーGTにスバルはユニークなマシンで参戦をしてきた。もちろん心臓はボクサーエンジンのEJ20。しかし駆動方式は現在はFRだがかつてはAWDでの参戦もあった。
なかでも2008年のクスコインプレッサはモータースポーツファンには脳裏に刻まれているのではないだろうか。AWDで参戦しレインのレースでは「GT400」と呼ばれるほど圧倒的な速さで勝利を記録するなど、スバルは市販車に直結するマシンの開発を続けてきた。
2009年からはレガシィB4、2012年からはBRZでスーパーGTに挑んできたスバル。2021年には市販車のBRZのモデルチェンジにあわせてGTマシンのボディも新型BRZに変更した。
スバル初のスーパーGTチャンピオンに向けて、2021年はチーム全体が並々ならぬ気合の入れ方だった。ドライバーは井口卓人、山内英輝の2015年からのコンビ。若手コンビと呼ばれた結成時から早6年。それぞれ33歳とドライバーとしても脂がのっているふたりの走りのキレはご存知のとおりだ。
マシンはボディこそ新型になったが「中身」のエンジンやシャシーなどはこれまでスバルがじっくりと熟成させてきたものだ。エンジンは名機EJ20を使用しているのも特筆すべき点だろう。
これまでWRCやニュルブルクリンク24時間レースで栄光をつかんできた名機EJ20だが、もちろん毎年開発が行われ進化は続いている。まさに「温故知新」なマシン開発を続けるスバル、そしてSTIの意地を見せつける場としてもスーパーGTは機能してきたように思う。
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