フォルクスワーゲンの人気SUVである「T-Roc」に、エクステリアの各部を精悍な黒で仕立てたスタイリッシュな特別仕様車が追加された。
今回はあらゆるシーンで際立ち、クールな個性で毎日を彩る“Black Style”の魅力を体感する。
文/小沢コージ
写真/奥隅圭之【PR】
■乗り味よし、スタイルよしの特別仕様車「T-Roc Black Style」
いま国産車と輸入車、いやぶっちゃけドイツ車との壁はほとんどなくなりつつある!? としたり顔で言う輩がいる。
が、小沢は言いたい。どこのドイツがそんなことを言ったのか? ホントに乗ってから言ったのか? 確かに最近の国産車、特にSUVはかなりイイが、そこには大きな味の違いがある。鰹だしと欧風本格フォンドボーのような違いだ。具体的には今回乗ったVW T-Rocがいい証拠だ。
T-Rocは2020年の夏に日本に上陸したVWの世界戦略コンパクトSUVである。ゴルフと共通のプラットフォームMQBを採用し、高いスペース効率と走行性能を備えるのが最大の特長だ。
特にスタイルと使い勝手の両立は素晴らしく、全長は4.2m台でゴルフより5cm以上短いのに、リアシートはゴルフ並みに広く、ラゲッジ容量は445Lとゴルフ以上。スペース性は国産SUVと比べても優れており、完璧にクラストップ。
さらに特筆すべきはエクステリアで、独特のポップさとガジェット感がある。アメフトのプロテクターさながらのマッチョフェンダーとボクシーな全体フォルム。特に今回借り出したブラックスタイルは、黒で塗りつぶされたグリルやフェンダー、ルーフレールや18インチの専用アルミホイールがカッコよく、独特の幾何学模様に塗られたピラーも相まって非常にクール。パッと見はミニポルシェSUVっぽい風情すら感じられる。
少し物足りなさのあったインテリアもこの仕様はインパネ、シフトまわりが広範囲にピアノブラックで覆われ、センターにストライプが入ったセミバケット風のブラックファブリックのシート付き。これがしっかりとした座り心地で質感が高い。
このほかブラックスタイルはレッド、ホワイト、グレー、イエロー、ブルーの鮮烈なボディカラーも選べる。
そして最大のキモは、リアルドイツ車特有の走りのカッチリ感であり、剛性感だ。ここは今も国産車とは別物で、走り出した直後から感じ取れる。
アクセルを踏み出した瞬間からギアボックス、7速DSG特有の滑らかさを発揮。オマケに2021年春のマイナーチェンジで排気量アップした1.5LのTSIガソリンターボがいい。ピークパワー&トルクが150ps/25.5kgmに上がり、出だしから力強い。
またシャープで輪郭がクッキリしたステアリングフィール、直進性のよさも段違い。高速からもカッチリとしたフィールで止まるブレーキもVW車ならではで、このあたりは技術力の差というより、文化の違い。ドイツ人はこういうカッチリとした走り味を好むのだ。
見た目はポップだが、味わいはVW車らしくガンコでマジメ。安心して買える一台だ。
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