2021年12月14日にMEGA WEBで行われた、トヨタの「バッテリーEV戦略に関する説明会」には度肝を抜かれた。これまでEV市場では遅れているように見えたトヨタが、15車種もの新型EVを公開したのだ。それもすべてが市販化前提のコンセプトカーというから凄い。
4年後にはEVモデルを7車種市販化、9年後には30車種まで拡大することを明言、2030年には350万台ものBEVを販売するという。こうした発表に、これからEVを販売することになるトヨタ販売店は、どのように反応しているのだろうか。
驚きや戸惑い、さらには歓迎などの様々な反応を見せるトヨタ販売現場を取材した。EV化に対する現場の声をお伝えする。
文/佐々木 亘
写真/TOYOTA
■トヨタのEV攻勢で販売店の変化も急務
1997年、世界初の量産ハイブリッド車「プリウス」を発表したときと、現場の反応が似ていると話すのは、トヨタ店の販売スタッフだ。
初代プリウスの専売店となったトヨタ店では当時、ハイブリッドとは何なのか、どのような仕組みで動き、機械的には何が危惧されるのか、実際に乗って移動するユーザーは何に困るのか、販売時に必ず伝えなければならないことは何なのかを、販売・サービス・受付・事務、各セクションのスタッフが一堂に会して、話し合ったという。
先日発表された「bZ4 X」が、トヨタ初の量産型BEV(Battery Electric Vehicle(=バッテリー式電気自動車))となる。2022年央発売予定とされており、販売店に残された時間は1年もない。現役のトヨタ販売店営業マンは、筆者の取材に「bZ4X発売時にも、プリウスの時と同じように様々な角度から販売現場で意見をぶつけていき、使い手であるユーザーが困らないようにしなければならない」と話してくれた。最前線にいる販売店では、EV販売の使命感が、ひしひしと伝わってくる。
BEV販売の準備として、トヨタは2025年までに国内5,000か所におよびすべての販売店に急速充電設備を備えると明言した。販売店へのインフラ整備は順調に進むはずだが、これと同時にEV販売へ向けた人材整備、販売・整備の準備を進めなければならない。充電器設置と同様に、「急速」な人の準備が必要だ。
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