その高級感まさにG1レベル!? 世界の馬を運ぶトラックが想像以上に優雅だった!!

その高級感まさにG1レベル!? 世界の馬を運ぶトラックが想像以上に優雅だった!!

 馬を運ぶトラックは世界各地に存在する。例えば日本で馬を運ぶトラックといえば、競走馬を運ぶ馬匹車(ばひつしゃ)の姿を各地の競馬場の近くで見ることができる。

 いっぽう、競馬に加えて馬術や乗馬の文化が盛んな欧米では、馬匹車にも多種多様なバリエーションが存在。1頭積みの小型トラック/トレーラから、複数頭積みの大型トラック/トレーラが幅広く活躍中だ。

 なかには、富裕層向けにスタイリッシュなエクステリアと高級ホテルやクルーザーのような内装を組み合わせたゴージャスな馬匹車も存在。今回はそんな世界の馬匹車を紹介しよう!!

文/緒方五郎、トラックマガジン「フルロード」編集部
※2013年5月18日発売「フルロード」第9号、2021年9月13日発売「フルロード」第42号より

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一度住んでみたい!!
超豪華なヨーロッパの馬匹車

オークレー・ホースボックシズ社のスプレマシー。キャブとボディが一体化した美しい外装デザインが特徴
オークレー・ホースボックシズ社のスプレマシー。キャブとボディが一体化した美しい外装デザインが特徴

 ヨーロッパは世界に名だたる馬匹車の名産地。なかでもたくさんの馬匹車メーカーがしのぎを削っているのが競馬発祥の地、イギリスだ。

 代表的なメーカーは、オークレー・ホースボックシズ社、ソブリン社、エクィ・トレック社、エクィ・クルーザー社、ブルームフィールズ社など。

 このうち高級馬匹車の名門、オークレー・ホースボックシズ社のフラッグシップモデル「スプレマシー」は、キャブと一体化した美しいボディに高級ホテルのようなゴージャスな内装を組み合わせているのが特徴。

 収容可能人数は10名で、リビング、ベッド、キッチン、シャワー室、トイレを完備。後方には最大7頭分のストール(馬用コンテナ)を設置でき、空調ユニットや給餌、給水設備などの装備はフルオーダーメイドでアレンジ可能。まさに至れり尽くせりの内容だ。

 このほか、英国に次いで馬匹車メーカーが多いのがドイツで、新興高級馬匹車メーカーのテルホルスト社、馬匹車専門メーカーのMSG社などが存在。オランダにも高級馬匹車の名門、ロェーロフセン社がある。

まるで高級ホテルのスイートルームのようなスプレマシーのリビングルーム
まるで高級ホテルのスイートルームのようなスプレマシーのリビングルーム

キャンピングカーに近い?
バラエティ豊かなアメリカの馬匹車

ペガサス・バンズ&トレーラ社のマグナム43’。全長約13.1mのトレーラをキャンピング架装のトラクタで牽引する
ペガサス・バンズ&トレーラ社のマグナム43’。全長約13.1mのトレーラをキャンピング架装のトラクタで牽引する

 ヨーロッパと並んで競馬・乗馬の文化が盛んな国がアメリカだ。キャンピングカー文化が盛んなこともあってか、同国の馬匹車はまるでキャンピングカーのよう。内装もアメリカンテイストでまとめられておりヨーロッパとは一線を画す。

 ペガサス・バンズ&トレーラ社の「マグナム43’」はキャンピングトレーラのような見た目が特徴で、内部は人と馬の生活スペースをたっぷり確保。組み合わせるボルボトラクタも運転席の後ろにキャンピング架装を施している。

 いっぽう、シマロントレーラーズ社の「ノールスター」はピックアップトラックと組み合わせて用いるモデル。アメリカでは、このようにピックアップトラックやSUVで馬匹トレーラを牽引するスタイルが珍しくないようだ。

 またオセアニア地域のオーストラリアやニュージーランドも馬匹車の名産地の1つ。ピックアップやSUVで牽引するコンパクトなタイプから、豪華な内外装のトレーラタイプまで幅広く存在する。デザインはどちらかというとアメリカ風だ。

シマロントレーラーズ社のノールスター。ピックアップトラックなどに組み合わせて運用するコンパクトな馬匹車だ
シマロントレーラーズ社のノールスター。ピックアップトラックなどに組み合わせて運用するコンパクトな馬匹車だ

見た目は観光バス!?
日本の競走馬用馬匹車

日本馬匹輸送自動車が運用する競走馬運搬車。トラックのシャシーにバスのボディを組み合わせるのが特徴だ
日本馬匹輸送自動車が運用する競走馬運搬車。トラックのシャシーにバスのボディを組み合わせるのが特徴だ

 最後に日本の馬匹車を紹介しよう。日本の馬匹車は馬運車とも呼ばれ、基本的に競走馬の輸送に用いられる。日本中央競馬会(JRA)の子会社である日本馬匹輸送自動車などにより運用されており、車体に競馬史に残る名馬の名前を書いてある車両も多い。

 最大の特徴は、大型トラックのシャシーフレームに大型観光バスのボディを架装している点で、見た目は観光バスそっくり。ベース車両は8×4駆動の4軸低床フルエアサスシャシーで、トラック顔の車両もある。

 ボディの一番うしろに馬が乗り降りするための大型スロープ付きドアがあり、床には競走馬の足の負担を軽減するラバーマットを設置。換気窓やエアコンを完備しており、カメラで運転席からリアルタイムにモニタリングするシステムも備わる。

 運転席はシートやハンドルなどがトラックのものだが、ボディが観光バスのため視界はトラックより広め。ちなみに観光バスのボディを使うのは運転席の後ろに馬の世話を行なう厩務員が座るスペースを設けるため。人と馬を安全に運ぶための工夫というわけだ。

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