2021年は数多くのニューモデルがデビューした。そのニューモデルには新規モデルのほかにフルモデルチェンジした新型車もあるわけだが、そのフルモデルチェンジ車は旧型から新型になって、どこがどれだけよくなったのだろうか?
ここ1年ほどでフルモデルチェンジした最新10モデルの旧型から新型への「進化度」をチェックしていく!
※本稿は2022年2月のものです
文/片岡英明
写真/スズキ
初出:『ベストカー』2022年3月10日号
■話題のスポーツクーペ&スポーツセダンの進化度をチェック!
【 新型トヨタ GR86/スバルBRZの進化度は? 】
低重心の水平対向4気筒エンジンにリア駆動のFRスポーツクーペで、痛快な走りを楽しませてくれる。その2代目は、アルミや高張力鋼板を多用して先代と変わらない1200kg台の軽量ボディを実現した。しかもエンジンを排気量アップしている。先代は2Lだった。新型が搭載するのは2.4Lだ。
先代はパンチが足りなかった。これに対し新型は、パワーもトルクも増えている。だから気持ちいい加速を引き出すことが可能だ。
6速MTの変速フィーリングもよくなっている。ATは6速のままだが、制御が賢くなり、動力性能も余裕を増したので実力を引き出しやすくなった。
ボディ剛性が高められ、サスペンションの動きもよくなっている。狙ったラインに無理なく乗せることができ、ハンドリングも軽やかだ。GR86は回頭性がよく、グイグイとノーズが入る。リアを流すのもたやすい。BRZはGR86よりリアを落ち着かせた素直な旋回姿勢が自慢だ。
AT車にはアイサイトを装備するなど、進化の度合いは大きい。
※先代モデルを100点とした場合の進化度
動力性能:130点、操縦性:135点、快適性:110点、燃費性能:95点、居住性能:115点、総合評価:125点
【 新型スバル WRX S4の進化度は? 】
自慢の水平対向4気筒DOHC直噴ターボに4WDシステムを組み合わせたハイパフォーマンススポーツセダンだ。第5世代は排気量を2Lから2.4Lに増大。高度運転支援システムのアイサイトXも搭載する。
2.4Lの直噴ターボ(275ps/38.2kgm)は先代より数値は低い。だが、過給レスポンスは鋭いし、実用域のトルクも太いから力強い加速を披露する。「スポーツ+」モードを選べば高回転まで気持ちよく回り、CVTの変速スピードも速い。加速時のGは先代を凌ぐほど強烈だ。
電子制御可変ダンパーを装着したSTIスポーツRは、減衰力を走りに合わせて最適制御するから懐が深いし、乗り心地も悪くない。シャシーが強じんだから少ない舵角で狙ったラインに乗せることができ、運転するのが楽しい。
※先代モデルを100点とした場合の進化度
動力性能:125点、操縦性:145点、快適性:120点、燃費性能:105点、居住性能:110点、総合評価:135点
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