消費者マインド的な部分で言うと、いまはどちらかというと「クルマなんて買っている場合ではない」のだろうと思う。なにぶん現状に重ねて「今より悪いことが起こったら」的なことを想起させるような出来事が今年は多過ぎる(厳密に言えば、ほんとはそれは今年だけではないのだけれども)。自然と財布のヒモもお堅くなってしまう。企画担当のお財布など、ガッチガチのギッチギチにして、しかも開けたところで何も入っていないという、もはや何が何だか訳のわからないことになっている。
だが、それでもやはり「今クルマがほしい」という人はいるだろうし、そこにはそれだけの必然があるのだと思う。そんな人のための新車購入オススメ計画。100万円台のクルマでも、“すべて”を求めるのではなく“選択と集中”の精神で臨めば、けっこういい買い物ができるのです!
※本稿は2022年7月のものです
文/伊達軍曹、写真/ベストカー編集部 ほか
初出/ベストカー2022年8月10日号
■100万円台で買う新車 何を求め、何を捨てるべきか??
最近は長く乗らないうちにクルマを買い換える人も多く、じっくりと探せば中古車の掘り出し物も少なくないが、「それでも……」という人はいるだろう。ここでは、そんな人のための新車購入術を検証する。
走行性能が高く、運転自体が気持ちよく、居住性も良好で、なおかつデザインに華があって、さらにはブランド力みたいなものも高い─といったニュアンスの「五拍子そろったクルマ」を所有し、それに乗るのは、なんだかんだで素晴らしい経験である。
だがそういった五拍子系グルマの価格は一般的に安価ではなく(そりゃそうだ)、だいたいは500万円とか、下手をすれば1000万円以上となるのが普通である。
年収300万円時代を生きる男が無理をして、カップ麺をすすりながら高額車を維持するのもひとつの男道だが、冷静に考えれば、それはやはり無謀な行為。
何事につけても「身の丈に合った選択」をしたほうが、人間というのは幸せになりやすいものだ。
年収300万円時代を生きる我々が買うべき新車とは、ズバリ「車両100万円台(くらい)のクルマ」だ。
それであれば、人によってはキャッシュでサクッと購入できようし、ローンを使う場合でも、左ページにある試算のように「月々3万円くらい」という、さほど無理のない出費で買うことが可能になるのだ。
だが、そこで問題となるのは「100万円台で買える新車は500万円や1000万円のそれと違って“五拍子”がそろっているわけではない」ということだ。
多くは5のうち2くらいの資質しか持ち合わせておらず、最悪、「1またはゼロ」なんてこともある。
この時に重要となるのは、五拍子すなわち「走行性能が高い」「運転が気持ちいい」「居住性がいい」「デザインがいい」「ステイタス性が高い」のうちの“どれ”を、100万円台の新車に求めるかだ。逆に言えば「どれを捨てるか」である。
考え方は人それぞれだろうが、まぁ「ステイタス性」は真っ先に捨てていいだろう。「居住性」については各位の家庭状況によるだろうし、「デザイン」も、気にする人と無頓着な人がいるため、なんとも言えない。
だが少なくとも「走行性能が高い」「運転が気持ちいい」という2点だけは“絶対国防圏”として死守すれば、クルマ好きという人種はけっこう幸せになれるもの。
そしておおむね100万円台のクルマにも、その2点を有しているモデルはけっこう多いのだ。
コメント
コメントの使い方つまりこのクラスの物に(どんなに正当だったとしても)批判をすると炎上する可能性がそれなりにあるってことだな。危ない危ない。