これまで1.5LのCVTモデルと6MTモデルが用意されていたホンダ シビック。2022年6月30日、ついにそのシビックに、ホンダでイチバンのウリ商品でもあるハイブリッドシステム「e:HEV」が追加された。
ハイブリッドでもスポーティを味わえる工夫がされたシビックe:HEVを八ヶ岳で自動車評論家 鈴木直也氏が実際に試乗してきた!
※本稿は2022年7月のものです
文/鈴木直也、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年8月26日号
■ホンダの開発者はマジでスポーティな走りを目指してる!
シビックe:HEVで八ヶ岳のワインディングを走ってわかったこと、それは「開発者はマジでスポーティな走りを目指してるんだ!」ということだった。
最近の日本は、俊敏でスポーティなハンドリングより、まったり快適な乗り心地のほうが人気。SUVを中心に、そういう味付けが主流だ。
しか〜し! 今度のシビックの狙い目は違って、もっとだんぜんスポーティなのだ!
低速域では少しゴツゴツ感が気になるものの、ピッチを上げれば上げるほど足回りはむしろしなやかに路面をとらえ、正確なステアリングで思いどおりのラインをトレースする爽快さ!
また、e:HEVの制御も全開時にはステップATがシフトを刻むような小気味よい吹き上がり。
まるで往年のNA高回転型VTECを彷彿させるような加速が楽しめる!
正直、タイプRが後ろに控えてるんだから(2022年9月1日発売開始)e:HEVはもっとまったり系でもいいんじゃね? とも思うのだが、開発者は「いやいや、こういう走りが現在の北米ユーザーの好みなんです」と、完全に「狙った味付け」だと強調。
北米市場におけるシビックのコアユーザーは、20〜30代のジェネレーションZ。若い彼らは、こういうスポーティなキャラクターを好んでいるというのだ。
低くかっこいいクーペに乗るなら、走りもスポーティに。そこが、新型シビックの譲れない個性なんだねぇ。
●ホンダ シビックe:HEV主要諸元
・価格:394万0200円(353万9800円(CVT、MT同額))
・WLTCモード燃費:24.2km/L(16.3km/L・CVT、MT同値)
・全長:4550mm
・全幅:1800mm
・全高:1415mm
・ホイールベース:2735mm
・車両重量:1460kg(1370kg・6MT:1340kg)
・最小回転半径:5.7m
・エンジン:直列4気筒DOHC、1993cc(直列4気筒DOHCターボ、1496cc)
・最高出力:141ps/6000rpm(182ps/6000rpm)
・最大トルク:18.0kgm/4500rpm(24.5kgm/1700-4500rpm)
・モーター出力:184ps/5000-6000rpm(─)
・モータートルク:32.1kgm/0-2000rpm(─)
・サスペンション:ストラット/マルチリンク
・タイヤサイズ:235/40R18・ミシュランパイロットスポーツ4S(235/40R18・グッドイヤーイーグルF1)
※()内はEX・ガソリン1.5ターボ
コメント
コメントの使い方個人的には、事実上のタイプSだと思っている。
フル加速時の擬似変速が、かなりリアルで驚いた。ただ回転数を上下させているだけじゃないんだよね。
>フル加速時の擬似変速が、かなりリアルで驚いた。
疑似変速を疑似餌にして、エンジン派を釣るという手法かもしれない。
エンジン党に同車で存在するタイプRじゃなくHVを勧めるなんて・・挑戦的ですね。