日本国内の新車販売では、トヨタの独走状態が続いている。ホンダや日産が軽自動車に力を入れ、小型/普通車の販売力が減少傾向。その結果、小型/普通車に限るとトヨタの国内シェアは約50%に達した。
このままトヨタ1強の時代が続くことは、日本の新車販売市場にどのような弊害をもたらすのだろうか? また販売力で圧倒するトヨタに対して、今後ほかのメーカーが期待を持てるカテゴリーについても考察していく。
文/渡辺陽一郎、写真/TOYOTA、HONDA、NISSAN、平野学
【画像ギャラリー】小型/普通車の国内シェアは約50%!! 人気車種多数のトヨタラインナップを写真で見る(33枚)画像ギャラリー新型エクストレイル販売好調!! 日産の小型/普通車のヒットに歓喜!!
日産の新型エクストレイルが、発売から2週間で1万2000台を受注した。この受注速度は、エクストレイルとしては過去最速だという。ただしエクストレイルに興味のあるユーザーなら、同じボディを使う海外版のローグが、2020年に北米で発表されたことも知っているだろう。日本版エクストレイルの発売を待っていたから、受注が一気に増えた。
また先代型の3代目エクストレイルは、日本国内では2013年に発表されて2022年まで販売された。先代型は販売期間が長く、乗り替え需要も溜まっており、フルモデルチェンジを行って受注台数が伸びた事情もある。
そしてエクストレイルの好調な受注は、日産の国内販売に対して、特に大きなメリットをもたらす。2022年1~8月の販売状況を見ると、国内で売られた日産車のうち、ルークスやデイズといった軽自動車が39%を占めたからだ。
今の日産の小型/普通車では、販売が好調なのは、ノート(オーラを含む)とセレナ程度になる。今の日産は小型/普通車のヒットに恵まれていないから、エクストレイルの好調な受注は嬉しいニュースだ。
エクストレイルの好調が喜ばれる背景には、このほかにも複数の理由がある。まずルークスなどの軽自動車は、薄利多売の商品になることだ。製造コストの割に価格が安く、メーカーや販売会社の粗利も少ない。
軽自動車を古くから扱ってきたダイハツやスズキは、販売面を含めて低価格で成り立つ体制を構築しているが、日産などはそうなっていない。販売会社を維持するためにも、価格の高い小型/普通車を堅実に売る必要がある。
コメント
コメントの使い方いちホンダファンとしては、ZR-Vが大ヒットしてほしいですね。
これでホンダの上級車種の販売が元気になってくれたら嬉しいです。
そして、オデッセイの復活と新型CR-V、新型アコードの導入も是非ともお願いしたいです。