これまでにも都度新情報をお伝えしてきたスズキのコンパクトスポーツ、スイフトとスイフトスポーツがいよいよフルモデルチェンジの時を迎えようとしているようだ。
カモフラージュしたテスト車のスクープ写真が出回るなど、動きが激しくなってきた。
“次”もクルマ好きの期待に応えてくれるのか? その実像に迫る!
※本稿は2022年8月のものです
文・予想CG/ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2022年9月26日号
■「正常進化」でコンパクトスポーツの王道を歩む
スイフトと言えば、スズキを代表する世界戦略車。
2000年登場の初代はクロスオーバーSUVの雰囲気を醸し出す安さが売りの小型車だったが、2004年の2代目でガラリと変身。
欧州テイストの本格的なコンパクトカーに生まれ変わり、スズキのクルマ作りが大きく進化したことを世界に知らしめた。
以降、2010年に3代目、2017年に4代目(現行型)と代を重ね、今や日本のみならず、世界を代表するコンパクトカーのひとつとなった。
スイフトの名声をさらに高めたのがスイフトスポーツだ。
初代はスイフトの登場から3年4カ月後の2003年6月にデビュー。2002年から参戦していたジュニアWRC(現在のR2クラスに相当)での大活躍もあって、初代から強い存在感を発揮した。
その後、現行型の4代目まで常にスイフト登場、その数カ月後にスイフトスポーツ登場というサイクルを繰り返してきており、その法則は次期モデルでも継続される。
次期スイフトは来年春に登場し、次期スイフトスポーツは来年秋にデビューする。
ここでは読者の関心の高さに合わせ、登場順とは逆になるが、次期スイフトスポーツのモデルチェンジ内容から紹介していこう。
■マイルドハイブリッドで正常進化のスイスポ
出回っているカモフラージュされたテスト車の写真はスイフトスポーツではなくスイフトだが、次期スイフトスポーツのデザインはそこから充分に予測できる。
基本的には現行型のキープコンセプトとはいえ、随所に違いが発見できるのだ。
フロントではエンジンフードの切れ込み最前線より上にあったヘッドライトが下にきており、その切れ込み線も楕円を描く独特な形状となっている。
リアドアのドアハンドルは、現行型がCピラー埋め込み型なのに対し、次期型は一般的なドアパネル内に設置されるタイプ。
また、Cピラーが現行型よりも太く見えるが、このあたりは一部をブラックアウト化するなどの処理を施してくる可能性もある。
とはいえ、エクステリアデザインは現行型から大きくは変わらない。掲載しているCGはカモフラージュ車から推測したものだが、「スイフトらしさ」は健在。それはスイフトもスイフトスポーツも変わらないということだ。
さて、次期スイフトスポーツの内容だが、マイルドハイブリッドを新採用するのが最大のトピックとなりそうだ。
エンジンは直4、1.4Lターボで現行型と同じだが、これにリチウムイオン電池を使った48Vハイブリッドシステムが組み合わされる。欧州ではすでにこの仕様のスイフトスポーツが販売されており、次期型より日本仕様もそれに合わされることになる。
現行型の欧州仕様はエンジンが129ps/24.0kgmで、これに13psのモーターパワーが加わる。日本仕様の現行型は140ps/23.4kgmだからモーターと合わせると同等以上の出力を得られるということだ。
これでわかるのは、スイフトスポーツは「地に足のついた正常進化」をするということ。
マイルドハイブリッド化して燃費性能を上げながら現行型と同等のポテンシャルを確保。逆に、現行型を大きく超える性能は求めず、バランスのよさを重視する。
マイルドハイブリッド化による重量増は気になるところだが、欧州仕様(マイルドハイブリッド)の現行型は6MTで1025kg。日本仕様(純ガソリン)の6MTが970kgだから55kg重い計算となるが、軽さがウリのクルマだけに、カタログ表示1トン以下を目指した執念の軽量化を進めていると見て間違いないだろう。
もちろんFFで、トランスミッションは現行型と同じ6MTと6ATになることが予想される。
コメント
コメントの使い方