1970年代前後のスポーツカーに装着されることが多かったリアウィンドウルーバー。当時は国産、輸入車問わず装着しているユーザーの姿をよく目にすることがあったが、近年ではすっかり見かけることも減ってきており、若い読者には“存在すら知らない“という人もいるのではないだろうか?
文/小鮒康一、写真/DMC、ランボルギーニ、Adobestock(トビラ写真=Martin Debus@Adobestock)
■どんな車種が装着していた?
リアウィンドウルーバーを装着していた車種はさまざまだが、代表的な車種を挙げると国産車ではセリカやフェアレディZ、輸入車ではマスタングやストラトス、ミウラなどが装着しており、一部車種では標準装備となっているものもあったほど。
そもそもルーバーとは、羽板と呼ばれる細長い板、もしくは羽状の部材を並行に複数並べたものであり、日常的に目にするものの代表格としては窓に備わるブラインドなどがそれにあたる。
クルマに備わるリアウィンドウルーバーも窓のブラインドなどと同じく、日差しをカットするのが最も重要な役割となっており、日差しをガードしながらも視認性を確保できるルーバーは現在のようにウインドウフィルムが普及していなかった当時としては、実用的なアイテムでもあったのである。
ちなみにリアウィンドウルーバーを装着していた車両にスポーツカーが多い理由としては、これらの車種のリアウィンドウは傾斜したものが多かったためで、日差しを防ぐ以外にも車内のプライバシーを守る効果もあったが、やはりドレスアップ効果が高かったのも人気となった要因のひとつと言えるだろう。
■ウィンドウルーバーにはデメリットもあった
見た目のアクセントにもなり、日差しを遮ることができるウィンドウルーバーだが、必ずしも万能なアイテムというわけではなく、デメリットも存在していた。
まず一つが重量で、家庭用のブラインドとは異なり、車外に装着するのが基本のウィンドウルーバーは、走行中の風圧などで変形してしまうわけにはいかないため、当時のものの多くは金属で作られていた。
ルーバー部分だけでなく、周りを囲むフレームやルーバーを支える支柱なども金属製で、リアウィンドウのサイズの大きな車種などではそれなりの重さになってしまっていた。
また走行するシーンによってはウィンドウルーバーにも相当な風圧がかかるため、そもそもの固定をしっかりしなくてはならず、後付けのものではボディへの穴あけ加工などが必要な場合も少なくなく、装着に覚悟が必要なケースも珍しくなかったのだ。
そして最大の難点はリアウィンドウの清掃が非常に大変になるということ。ルーバーが備わっている分だけ汚れの付着はしにくいものの、拭き上げをしようとする際はルーバーが確実に邪魔になるため、脱着は必須作業。
ものによってはヒンジが付いていて簡単によけることができるようになっているものもあったほどだ。
さらに機械洗車を使用すると破損するリスクもあるため、維持管理のハードルが高かった故にウインドウフィルムに取って代わられて姿を見ることが減ってしまったということなのだろう。
コメント
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昔、S30ℤ2シーターに乗ってたけど、自分も付けてたよ。
友達はセリカリフトバック1.6GT乗ってたけど、そいつもつけてた。まあ、今の車には似合わないだろうし、似合うような個性を持った車もないから、失われた記憶になってたけどね。