6月某日……、国沢光宏氏から「リーフでEVレースに出てみないか?」というオファーを受け、モータスポーツ好きの私、髙瀬は「出たいです!!」そう即答したのでありました。
今回、参戦する全日本EV─GPシリーズは、ライセンス不要で、リーフやi─MiEVなどの市販EVでもそのまま走れる敷居の低いレース。ロールケージを組んだり、リアシートを取り外すなどの準備も必要なく、ほかのワンメイクレースよりもさらに参戦費用が抑えられるのです。
が、しかしなにせレース初心者の身の上。レースを走ったこともほぼなければ、舞台となる筑波サーキットでの走行経験も皆無。さらにはスーツやヘルメットだって持ってません!!
レース当日
そうこうしているうちにレース本番、7月12日、第3戦「筑波EV50㎞レース大会」の当日がやってきた。当日は、予選ではBCなどでライターをしている永田恵一氏が監督代行を務め、決勝は国沢氏が監督を務めるという運び。
懸念していたレーシングスーツは永田氏のものを拝借し、ヘルメットはなんとか自前で用意。車両に掲示するカーナンバーもマジックで直筆と、まさに手弁当での参戦!!
まずは、受付をすませ車検に向かう。そのあと10分間の予選をこなす。このレースでは予選を全開で走ると、バッテリー温度が上昇するので、ほかのみなさんも軽く流すのみ。
自身は、「とりあえずコースを覚えてきて」という永田監督の指示を受け、4周を走行。あっという間に予選は終了。1分27秒024で全体7位、クラス5位というポジションとなった。
ここからリーフをフル充電し、国沢監督の到着とともに決勝への戦略を練る。バッテリーは、1周経過ごとの残量を決め、ゴール時には残量が0%になるという完璧な(?)計算だ。
そして、いざ決勝!! グリッドで国沢氏にアドバイスをもらいいよいよスタート。レース中は国沢監督と携帯電話で交信。
Sタイヤを履いた上位勢は様子見で、スローペースのなかレースは進行。かたや標準エコタイヤ+ド素人という組み合わせの95号車国沢リーフ号も必死で食らいつく。「横滑り防止装置が付いてるから、もっと攻めても大丈夫」、「コーナーのインにもっと付けるよ」などなどありがたいアドバイスの数々と速いマシンの走行ラインを見た甲斐あって、少しずつライン取りがわかってきた!!
レースでは序盤で2台をかわしたものの中盤でペースを上げた2台に猛然とプッシュされ、数周に渡って抑えるもあえなく順位ダウン……。
そのままレース終盤、バッテリー残量はひと桁になり、温度も上昇。「あと何周ですか?」「バッテリー残量はそれでOKだから、そのままのペースで」そんなやりとりを繰り返しつつ、なんとかクラス5位で無事チェッカー!!
ベストタイムは1分22秒018。予選タイムを約5秒も更新できた。(ちなみにリーフのトップタイムは1分13秒403)
レースを終えて
24周、約30分間のレースを終えての感想は「サーキットで走るのって気持ちいい!!」のひと言。国沢監督は「わりとタイヤも使えてたし、悪くなかったけど、いいタイヤを履けばもうちょっとおもしろい展開になっていたね」とコメント。
タイムをみてもわかるように初心者でも、朧気ながらクルマの動きやタイヤの使い方が少しずつわかり速くなれる。バッテリー切れ寸前のリーフ同様、クタクタだったが、レースを満喫し、心地よい疲労感。今度はライバルと同じタイヤで戦ってみたい。
リーフが愛車という人なら、ヘルメットなど装備一式を揃えれば参戦可能で、最新のEVを使い、今最も手軽に参戦できる全日本EV─GP。みなさんもぜひ参戦してみてはいかが?
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