高級SUVは「無骨/タフ」に回帰がトレンド! レクサスGXが魅せたタフでモダンなSUVのホンモノ感

高級SUVは「無骨/タフ」に回帰がトレンド! レクサスGXが魅せたタフでモダンなSUVのホンモノ感

 レクサスGXが発表されたが、驚いたのはカクカクした、どこか昔のオフローダーを思わせるプロポーション。無骨さとモダンを兼ね備えつつ、LXと同じラダーフレーム構造のGA-Fプラットフォームの採用など、本格オフローダーとしての中身もホンモノ。そう、いまや高級SUVもこうした回帰現象がトレンドなのだ。そこでGXの魅力とともに、無骨/タフな高級SUVを紹介していこう。

文/ベストカーWeb編集部、写真/レクサス、メルセデスベンツ、ストランティス、ランドローバー

■レクサスGXは「本格オフローダーのど真ん中を創る」

カクカクした無骨なスタイルの新型レクサスGX
カクカクした無骨なスタイルの新型レクサスGX

 2023年6月9日、レクサスGXが発表となった。これまでレクサスになかった、カクカクとした無骨なスタイルを見て「これが新型プラドの兄弟車、GXか!」と驚いた人も多かったハズ。

 新型プラドは2023年夏頃の発売予定となっているが、レクサスGXのほうがひと足お先に今回お披露目となった。新型プラドはベストカーが制作したCGを見てもらえばわかる通り、ランクル300と同様、正常進化といえるスタイルといっていい。

無骨でモダンなプロポーションを持つ新型レクサスGX
無骨でモダンなプロポーションを持つ新型レクサスGX

 それに対して、レクサスGXは、兄貴分のLXと同じようなオラオラ顔の豪華絢爛マスクで来ると思いきや、無骨/タフ+モダンなデザインに、「やっぱりラダーフレームじゃないと本物じゃない!」と叫んだのかどうかはわからないが、ランクル300やレクサスLXと同じラダーフレーム構造の新GA-Fを採用し、高級SUVのど真ん中を160km/hの直球でズバッと投げ込んできたのだ。

 いまや高級SUVの世界は、ベントレーベンテイガやロールスロイスカリナン、ランボルギーニウルス、フェラーリプロサングエなどの新規参入高級&スポーツカーメーカーが攻め込んできてまさに百花繚乱、魑魅魍魎、どれだけ凄いSUVが登場してもちょっとやそっとのことでは驚かなくなっている。

ランクル300、レクサスLXと同じラダーフレーム構造GA-Fを採用した
ランクル300、レクサスLXと同じラダーフレーム構造GA-Fを採用した

 そんななかにあってベンツGクラスやジープラングラー、ランドローバーディフェンダーなど、新参者には代えがたい歴史と伝統を持っているレジェンドSUVは微動だにしない。そんな硬派(?)なところが、世界的にウケて、新車は長納期、中古車は新車より高いプレミアム価格が付くモデルもあるくらいである。

 それら超人気高級SUVに共通しているのは、無骨/タフ+モダン、そして走りも本格派、ということである。

CピラーからDピラーにかけてのサイドウインドウ、リアサイドウインドウのデザインも秀逸だ
CピラーからDピラーにかけてのサイドウインドウ、リアサイドウインドウのデザインも秀逸だ

 改めて新型レクサスGXのエクステリアを見ていこう。レクサスGXは「レクサス本格オフローダーのど真ん中を創る」をキーコンセプト。

 タフでモダンなプロポーションを謳っているが、こんなにカクカクしたSUVは最近見たことない。

 薄目のヘッドライト、そんなに主張していないスピンドルグリル(スピンドルボディと謳っているが最近はこれが一番カッコいい)、そしてなんといっても驚くのはフロントボンネットの四角い出っ張りと、四角い前後フェンダーの形状だ。

新型GXのリア回りもカクカクしたデザイン
新型GXのリア回りもカクカクしたデザイン

 それだけでは終わらない。BピラーからCピラーにかけてのデザイン処理も新しいが、リア回りを見るとさらにビックリ。

 フロント以上にカクカクしている。絶壁といっていいほどのテール回りと一文字リアコンビランプが醸し出す艶感は1000万円級の高級SUVと遜色ないといっても過言ではないだろう。

 このカクカクボディ、筆者は1980年代~1990年代にかけて流行したクロカン四駆を思い出したのだが、みなさんはどう思いますか? 

 レクサスGX自体は2002年に120系のランクルプラドの兄弟車としてデビューしているので、当然ここまでカクカクしていない。新型GXはまっさらの状態で、こんな無骨、レトロモダンなデザインをイチから手掛けたのである。

 もちろん、悪路走行時に石や草木などの障害物を保護するためにグリルセンター部をプロテクターで覆いつつ、サブラジエターに合わせて下に広げた冷却機能を持つグリル開口としたサイド部分など、オフロード走行に根ざした形状としている。

 パワートレインは3.5L、V6ツインターボと2L、直4ターボのハイブリッド。サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアはラテラルコントロールアーム付きの昔から定評のあるリジットサスペンションである。

現行モデル同様に3列7人乗り、2列目がキャプテンシートとなる6人乗りモデル、そして2列5人仕様の3種がラインアップ
現行モデル同様に3列7人乗り、2列目がキャプテンシートとなる6人乗りモデル、そして2列5人仕様の3種がラインアップ

 左右剛性が約50%も向上した電動パワーステアリングや減衰力を電子制御するAVSによるさらなる上質な乗り心地を実現、クラストップレベルの静粛性など、プレスリリースを見ていると、アピールポイントは枚挙にいとまがないが、ラリードライバーの協力を得て開発という文言に、GXの走りに対するレクサス開発陣の並々ならぬ力の入れようがわかる。

さらに本格的なオフローダーを目指したOVERTRAIL仕様
さらに本格的なオフローダーを目指したOVERTRAIL仕様

 さらに265/70R18サイズのオールテレインタイヤをはじめ、標準仕様から20mm拡大された前後トレッド、ブラックのアーチモールやフロント&リアのバンパーコーナー下端を切り上げて別体のセンタープロテクション、乗員の疲労を軽減する専用シートなどを装備した「OVERTRAIL」仕様にも注目したい。

 メカニズム面では、前後のスタビライザーを電動で独立制御し新開発のサスペンションと組み合わせることで岩石路やモーグル路における路面追従性を向上させるレクサス初のE-KDSSや、最新のブレーキ制御技術マルチテレインセレクト、車両周辺を4つのカメラでサポートするマルチテレインモニター、オフロード走行時の負担を軽減するクロールコントロール、急坂時の運転負荷を低減するダウンヒルアシストコントロールなど、さらなる本格オフローダーを目指して、装備はテンコ盛りだ。

 ちょっと言い過ぎかもしれないが、最近、ここまで尖がった、攻めに攻めたデザインのSUVは珍しい。これはもしかすると、ランクル300やレクサスLXを超える、超人気モデルになるかもしれない……。

ランプブレークオーバーアングル(乗り越えた障害物がアンダーボディに接触せずに越えられる角度)が23度、アプローチアングル(前方の障害物を前輪が乗り越えられる角度)度が26度、デパーチャーアングル(リアバンパーやマフラーなどが障害物に接触せずに越えられる角度)は23度
ランプブレークオーバーアングル(乗り越えた障害物がアンダーボディに接触せずに越えられる角度)が23度、アプローチアングル(前方の障害物を前輪が乗り越えられる角度)度が26度、デパーチャーアングル(リアバンパーやマフラーなどが障害物に接触せずに越えられる角度)は23度

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