インドネシア国際オートショーで「キャンター」の60周年記念限定車と新型バス完成車モデルを発表!? 本家・日本にないクルマが現れた理由とは? 

インドネシア国際オートショーで「キャンター」の60周年記念限定車と新型バス完成車モデルを発表!? 本家・日本にないクルマが現れた理由とは? 

 三菱ふそう車のインドネシア販売代理店・PT.クラマ・ユダ・ティガ・ベルリアン・モータース(KTB)は、ジャカルタで8月10~20日にわたり開催中のインドネシア国際オートショー(GIIAS)で、現地仕様「キャンター」の特別仕様車(限定車)と、キャンターをベースとした新小型バスを発表した。インドネシアに現れた独自の限定車とバスは、どのような経緯で生まれたクルマなのか?

文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部

キャンター60周年記念特別仕様車

GIIAS(インドネシア国際オートショー)に出品されたキャンター60周年記念特別仕様車。販売台数も限定60台の予定である
GIIAS(インドネシア国際オートショー)に出品されたキャンター60周年記念特別仕様車。販売台数も限定60台の予定である

 インドネシアでは、1973年から「コルトディーゼル」の名称でキャンターが投入されている。ということは50周年になるが、同国の過酷な使用環境において、半世紀にわたってユーザーに圧倒的な支持を得つづけている小型トラックの「名車」ゆえに、キャンターが日本で誕生した1963年からちょうど60周年の今年は記念すべき年、ということで限定60台を発売するのが「キャンター60周年記念特別仕様車」である。

 コルトディーゼル/キャンターがどれだけ定番になっているかの例証の一つが、同国の輸送業界では小型トラックを分類する際に「CDE」「CDD」と表記する習慣があることだ。これは「小型トラックの4輪車(後輪シングルタイヤ車)」「小型トラックの6輪車(同ダブルタイヤ車)」の意味だが、当初はCD=コルトディーゼルを略していた表記が、いつしか小型トラックの代名詞になっていたのが由来である。もちろん他メーカーの小型トラックも、4輪車ならCDE、6輪車ならCDDに分類されることはいうまでもない。

 インドネシア市場でシェアNo.1を続けている理由を、KTBの板谷拓未マネージャーにうかがうと「シャシーとエンジンの耐久信頼性が高いこと、例え故障しても特約ディーラーがどこでも補修部品を揃えていて、すぐに修理可能なサービス体制を構築していることの2つが大きい」と話す。それは、シェアが単に1位というだけでなく、小型トラック市場の過半数を占めるという「中身」が証明しているところだ。

専用の内外装と充実装備

 コルトディーゼルは、同国でのEuro-4排ガス規制導入を機に、2022年4月から「キャンター」と名乗るようになったが、シャシーは三菱ふそうで「TD」と呼ばれるモデルを引き続きベースとしており、「TF」と呼ばれる日本の現行モデルとは、かなり異なるクルマである。

 そのインドネシア導入60周年を記念した60台限定の特別仕様車は、ベース車に対して、ブラック塗装のフロントグリル(ベース車はシルバー)とフロントバンパー(同キャブ色)およびFUSOエンブレム(同シルバー)を特別にあしらい、さらにフロントパネルに60周年記念オーナメント、ドアに専用ステッカーとロゴ付ドアバイザーも装着する。

 インテリアも特別仕様となっており、60周年記念ロゴをあしらった専用シートやフロアマットを採用し、ドライバーモニター、ディスプレイオーディオ、電子ルームミラー(リアビューカメラ)、セキュリティアラーム付きドアロックなどを標準装備としている。同国の小型トラックとしては、かなりの充実仕様である。

キャンター60周年記念特別仕様車のキャブ内。メーターバイザー上にドライバーモニター、インパネのDINスペースにディスプレイオーディオ、フロアマットに記念ロゴマークもみえる
キャンター60周年記念特別仕様車のキャブ内。メーターバイザー上にドライバーモニター、インパネのDINスペースにディスプレイオーディオ、フロアマットに記念ロゴマークもみえる

 GIIASの出品車は、ワイドキャブ・ホイールベース3.85mの車両総重量8.5トン車型・FE84Gをベースとしたもの。エンジンは3.9リッター136馬力の「4V21型」で、電子制御コモンレール燃料噴射装置とEGR、酸化触媒(DOC)でEuro-4規制に適合させている。なお、同国はマニュアル車のみの設定で、AMT(機械式自動変速機)車やAT車はない。

 ちなみに同国は日本以上に標準キャブが好まれるため、ワイドキャブの展開車型は、日本よりも少ない設定となっている。

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