ベースグレードはお手頃価格だが、装備面を考えると選択肢から外れるケースがほとんど。とはいえ、ベースグレードをあえて選びたいクルマが実はかなりあるのだ。そこで、マニア心をくすぐる買いのクルマたちを一挙に紹介!
文/渡辺陽一郎、写真/スズキ、TOYOTA、スバル、HONDA、MAZDA
■ベースグレードの悲しい真実とは?
一般的にベースグレードは、売れ筋になる買い得グレードから、装備を取り去った仕様になる。営業車などに使う法人向け、あるいはレンタカーなどのニーズに応じたグレードもあり、装備が多く省かれる割に価格はあまり下がらない。従って買い得とはいえないグレードが多い。
またベースグレードには、悲しい事実も隠されている。ある商品企画担当者は次のように述べた。「価格が一番安いグレードは、売れなくても構わない。一番安いグレードは買いたくない、と考えるお客様のために存在するからだ」。
つまりベースグレードは、「自分が選ぶのは一番下のグレードではない。まだ下がある」と顧客に思わせる役割も担っている。悲しい話ではないだろうか。
しかしそのいっぽうで、数は少ないが「ベースグレードこそ良いクルマ」もある。一見すると安さがメリットに思えるが、ちょっとマニアックな魅力も秘めている。そのようなベースグレードを取り上げてみたい。
■悪路走行に徹底したカッコよさ! スズキジムニーXG(155万5400円/5速MT)
ジムニーは軽自動車サイズの悪路向けSUVだ。一般的には最上級のXCが人気だが、マニアックなユーザーはXGを選ぶ。
XGが注目される理由は、悪路の走破に適した内容に仕上げたからだ。ホイールはスチール製で、外装パーツも光沢を抑えたシンプルな仕様だから、悪路でキズが付いても気にならない。
むしろ適度に使い込まれている方が、悪路の走りを意識させてカッコイイ。ツール感覚で使えることがXGの魅力だ。
その点で最上級のXCは、アルミホイールやカラードドアミラーを標準装着するから、悪路に乗り入れるとキズが目立ちやすい。悪路を走るジムニー本来の使い方をするユーザーには、シンプルなXGが最適だ。
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