■速さよりも操る楽しさを持つマツダロードスターS(268万9500円/6速MT)
ロードスターのソフトトップは、直列4気筒1.5Lエンジンを搭載する。エンジンの排気量を敢えて小さく抑えることで、パワーを出し切って走る楽しさを追求した。
この運転感覚は、1989年に発売された初代ロードスターに通じるところがある。初代モデルの1.6Lエンジンも、パワフルとはいえず、相応に速く走らせるには5速MTを駆使する必要があったからだ。
そして現行ロードスターのベースグレードとなるSでは、6速MT仕様にもリヤスタビライザーやトンネルブレースバーが装着されず、さほど高くない速度域でも後輪の横滑りが緩やかに始まる。この挙動変化は初代ロードスターに似た印象だ。
つまりロードスターSは、速さよりも操る楽しさを求めるユーザーにとって、最適な運転感覚を備えている。
■日本の道路環境にピッタリ! トヨタスープラSZ(499万5000円/8速AT)
スープラSZの直列4気筒2Lターボエンジンは、最高出力が197馬力(4500回転)、最大トルクは32.7kg-m(1450~4200回転)で、スープラとしては動力性能が控え目だ。日本の道路環境でも、エンジンパワーを相応に引き出した走りを楽しめる。
また17インチタイヤは、上級グレードの18インチや19インチに比べて空気充填量が多く感じられ、乗り心地が適度に柔軟だ。
17インチタイヤは、速度を高めてカーブを曲がる時に、18/19インチに比べてタイヤのヨジレも意識させる。この運転感覚は、1993年に登場した4代目スープラを思い出させる。
ボディスタイルとタイヤの視覚的なバランスも優れている。スープラは、全長が4380mmの割に、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2470mmと短い。
軽自動車のホンダN-BOXの2520mmを下まわる。この短いホイールベースと長いオーバーハングの組み合わせにより、現行スープラの外観は、クラシックな雰囲気に仕上がった。
そしてサイドウォールの広い17インチタイヤは、クラシックなスープラの外観にピッタリだ。昭和のクルマ好きなら、この良さが分かるだろう。
■走りの楽しさ&オプションも充実! スバルインプレッサST(229万9000円/CVT)
インプレッサでは、マイルドハイブリッドのe-BOXERを搭載するST-GやST-Hが売れ筋になるが、ベースになるSTも魅力的なグレードだ。e-BOXERを搭載しない代わりに、2WDの車両重量は1380kgに収まり、ST-Gに比べて150kg軽い。
そのためにSTは運転感覚が軽快で、峠道などでは車両の向きを変えやすい。エンジン排気量は2Lだから、実用回転域の駆動力にも余裕があり、走りの楽しさも味わえる。
そしてSTは、ベースグレードでありながら、アイサイトコアテクノロジー、LEDヘッドランプ、アルミホイールなどを標準装着する。
オプションも充実しており、11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&インフォテイメントシステムなども装着できる。最も価格の安いグレードながら、ニーズに応じて装備を上級化することが可能だ。
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