【クルマの足回りの寿命は?】最新車なら10万km ダンパー無交換でも大丈夫なのか? 

【クルマの足回りの寿命は?】最新車なら10万km ダンパー無交換でも大丈夫なのか? 

 みなさんの愛車は何万km走っていますか? 5万km、8万km、なかには10万km、15万kmオーバーという猛者も多いのではないでしょうか?

 走行距離が増えてくると気になってくるのが足回りのヘタリ。クルマの揺れが大きくなって不安定になったり、タイヤの偏摩耗、ハンドルが右または左にとられるといった症状は出てませんか?

 そこで、どのような状態になったら、サスペンションを交換しなければいけないのでしょうか? また、サスペンションを交換するといくらかかるのか? モータージャーナリストの岩尾信哉氏が解説する。

文/岩尾信哉
写真/ベストカーWEB Adobe Stock


サスペンションのヘタリの原因とは?

何万kmになると、足回りはヘタってくるのだろうか?
何万kmになると、足回りはヘタってくるのだろうか?

 足回りの寿命(耐久性)というのは、とても一言では説明仕切れない。自動車メーカーそれぞれの車種ごとに、要求される性能、品質、コストの設定など、クルマづくりの手法は千差万別だからだ。

 ただし、サスペンションに関しては、足回りを構成する部品単体の耐久性に関しては、クラス分けやボディの種類などによって、ある程度は経験によって類推することはできる。

 サスペンションの各部品の耐久性が走行距離や経過年数を経て、どう影響してくるのか探ってみよう。

 足回りの耐久性は、一般的に全体の部品交換を含むメンテナンスの区切りはおよそ8万~10万km、10年が目安とされる。

 サスペンションの構成部品の耐久性やそれぞれの価格について、自動車メーカーや部品を納入するパーツメーカーに問い合わせても、残念ながら具体的な答えはなかなか返ってこない。

 メーカーも部品メーカーもコストを含めた要求性能を明らかにすることは、商品性やビジネスに関する競争力にもろに影響してしまうからだ。

新車を購入してから8万km以上走行したことのあるオーナーだったら、これはダンパーを替えなきゃいかんという目安はわかる人も多いハズだ。ダンパーを交換すると走りは劇的というか、新車時並みに元に戻る

 サスペンションを構成する主な部品を見ると、まずは直接地面に触れるタイヤ(ホイール)があって、これにつながるアーム類と各部の動きに影響する防振性などを司るブッシュ、サスペンションからの様々な荷重や衝撃といった入力を受け止めるスプリング(バネ)、その動きを調整するダンパー(ショックアブソーバーで構成される。

 乗り心地に関しては、これらに加え、サスペンション全体の動きを調整するスタビライザーや、ボディに近い箇所ではアーム類が接続するサブフレームなどがあり、当然ながらボディそのものの強度や剛性の設計が乗り心地に影響することになる。

ダンパーを換えれば乗り心地が変わる?

新車を購入してから8万km以上走行したことのあるオーナーだったら、これはダンパーを替えなきゃいかんという目安はわかる人も多いハズだ。ダンパーを交換すると走りは劇的というか、新車時並みに元に戻る
新車を購入してから8万km以上走行したことのあるオーナーだったら、これはダンパーを替えなきゃいかんという目安はわかる人も多いハズだ。ダンパーを交換すると走りは劇的というか、新車時並みに元に戻る

 それでは、足回りの乗り心地に影響する構成部品の耐久性について、見た目としてもわかりやすい部品であるダンパー(ショックアブソーバー)から見ていこう。

 ダンパーの性能の変化の見極めについては、5万/8万/10万kmなどと意外と幅がある。

 乗り心地の悪化は、サスペンションの動きが粗くなることで、走行中の快適さが失われるわけだが、耐久性に関しては、ダンパー内部のピストンとともに収められたオイルの漏れが故障の代表例で、見た目で確認できる例はダンパーケースの破損などもある。

 その名をよく知られたダンパーメーカーのサイトでは、純正品の新車時のダンパー交換の目安は8万kmとしている。「純正品は、8万kmで目に見えて劣化し、この劣化したショックを交換することで車両の乗り心地や快適性が飛躍的に向上することが確認されています」としている。

 「一定の距離で特定の回転数に達するタイヤとは異なり、ダンパーは道路の状況により伸びと縮みの頻度が増減する」とし、走行時の天候や道路の状態、ドライバーの運転時の癖や、荷物の積載量、タイヤ/ホイールの変更などによっても、ダンパー(とタイヤ)の寿命は大きく影響を受けるとコメントしている。

 メンテナンスについては「1年に一度、または2万km毎」「5万km以上経過」という点検時期を推奨するなど、ダンパーメーカーによって微妙に違いがあっても、定期点検では見た目での損傷の有無やオイル漏れのチェックをしてほしいとのこと。

 むろん、見た目で問題があれば、交換しなければ車検を通すことができないから当然とも言える。

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