■ダンパーを換えれば乗り心地が変わる?
それでは、足回りの乗り心地に影響する構成部品の耐久性について、見た目としてもわかりやすい部品であるダンパー(ショックアブソーバー)から見ていこう。
ダンパーの性能の変化の見極めについては、5万/8万/10万kmなどと意外と幅がある。
乗り心地の悪化は、サスペンションの動きが粗くなることで、走行中の快適さが失われるわけだが、耐久性に関しては、ダンパー内部のピストンとともに収められたオイルの漏れが故障の代表例で、見た目で確認できる例はダンパーケースの破損などもある。
その名をよく知られたダンパーメーカーのサイトでは、純正品の新車時のダンパー交換の目安は8万kmとしている。「純正品は、8万kmで目に見えて劣化し、この劣化したショックを交換することで車両の乗り心地や快適性が飛躍的に向上することが確認されています」としている。
「一定の距離で特定の回転数に達するタイヤとは異なり、ダンパーは道路の状況により伸びと縮みの頻度が増減する」とし、走行時の天候や道路の状態、ドライバーの運転時の癖や、荷物の積載量、タイヤ/ホイールの変更などによっても、ダンパー(とタイヤ)の寿命は大きく影響を受けるとコメントしている。
メンテナンスについては「1年に一度、または2万km毎」「5万km以上経過」という点検時期を推奨するなど、ダンパーメーカーによって微妙に違いがあっても、定期点検では見た目での損傷の有無やオイル漏れのチェックをしてほしいとのこと。
むろん、見た目で問題があれば、交換しなければ車検を通すことができないから当然とも言える。
■交換にかかる費用は?
メーカー/車種によって多少は変わっても、ディーラーや大手カー用品ショップなどで交換に要する価格は、作業工賃を含めておよそ1本当たり2.5万~3万円程度。これに加わるアライメント調整料金が1万円からというのが相場のようだ。
自動車メーカーの保証については、トヨタを例に挙げれば、オイル、ブレーキパッドなどの消耗品については「一般保証」として期限を3年/6万kmに設定。
エンジン周りなどを含め、重要保安部品に関しては「特別保証」として、5年/10万kmと定めている。
足回りでは、ダンパーやサスペンションアーム(ブッシュを含む)、後述するスプリングなどを設定している。
純正品のダンパーでは、5万km程度でヤレが感じられるようでは品質として問題外だが、10万kmまで保つかといわれれば、今日のクルマなら問題なしと答える。
それでも、足回りの“総取っ替え”でなく、ダンパー単体の交換でも著名な社外メーカーの製品などにトライしてみる価値はあるが、あくまで純正品の出来映えを確認した後に判断してほしい。
そのうえでモディファイを試みれば、効果があった時にはまさに「してやったり」の快感が得られるのだから。
走行距離を経たダンパーをリニューアルしてまず感じられるメリットは、走行時にボディの動きの落ち着き、安定感が得られること。
路面の変化に柔軟に足回りが対応できることが日常的に実感できるはず。乗り心地が硬くなりすぎて失敗という例が世間になくもないが、メーカーやショップの情報を慎重に見極めれば、大事には至らないはずだ。
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