交換にかかる費用は?
メーカー/車種によって多少は変わっても、ディーラーや大手カー用品ショップなどで交換に要する価格は、作業工賃を含めておよそ1本当たり2.5万~3万円程度。これに加わるアライメント調整料金が1万円からというのが相場のようだ。
自動車メーカーの保証については、トヨタを例に挙げれば、オイル、ブレーキパッドなどの消耗品については「一般保証」として期限を3年/6万kmに設定。
エンジン周りなどを含め、重要保安部品に関しては「特別保証」として、5年/10万kmと定めている。
足回りでは、ダンパーやサスペンションアーム(ブッシュを含む)、後述するスプリングなどを設定している。
純正品のダンパーでは、5万km程度でヤレが感じられるようでは品質として問題外だが、10万kmまで保つかといわれれば、今日のクルマなら問題なしと答える。
それでも、足回りの“総取っ替え”でなく、ダンパー単体の交換でも著名な社外メーカーの製品などにトライしてみる価値はあるが、あくまで純正品の出来映えを確認した後に判断してほしい。
そのうえでモディファイを試みれば、効果があった時にはまさに「してやったり」の快感が得られるのだから。
走行距離を経たダンパーをリニューアルしてまず感じられるメリットは、走行時にボディの動きの落ち着き、安定感が得られること。
路面の変化に柔軟に足回りが対応できることが日常的に実感できるはず。乗り心地が硬くなりすぎて失敗という例が世間になくもないが、メーカーやショップの情報を慎重に見極めれば、大事には至らないはずだ。
スプリング/ブッシュは車両保証が目安
足回り関連の部品では実感しにくい部類に入るスプリングのヘタリについては、使われる鋼材の材質や製法、形状や設置位置の設計などさまざまな要素がある。
とはいえ、耐久性については基本的に10万kmという車両のメンテナンスの最大といえる保証距離/経過年数と一致すると考えて良い。
スプリングの部品代はむろん車種にもよるが1台当たり2万~3万円強、取り付け工賃は2万~3万円というのが目安となる。
車高調整機構については、サーキット走行などを見据えて走りを変えてみたいという欲望にかられて交換に踏み切るのか、見た目重視のファッション的な“ローダウン”を求めるのか、方向性や好みによってかけるコストが変わってくる。
乗り心地に関しては、純正品では、経験上5万~8万kmの走行距離では、ダンパーほどの明らかな変化が生まれるとは思えないというのが率直な印象だ。
ゴムブッシュを替えるだけで見違える
ブッシュとは、サスペンションアームのジョイント(関節)部分に取り付けられたゴム製部品のこと。ブッシュの交換は一般的には10万kmが一応の目安となる。
これもスプリングと同様に車両のメンテナンス基準と同様といえる。ブッシュの損傷によるスタビライザーリンクからの異音発生などもよく聞くトラブルだが、これも走り方に影響を受ける。
ブッシュの点検については、知り合いの整備工場のスタッフに訊くと「目視によるひび割れや傷などのチェックが基本です」という。
頭に置いておきたいのは、ブッシュの交換はアーム類とのアッセンブリー交換となること。ブッシュ1セットの価格は7000~8000円ほどでも、先のようにダンパーなどを4輪で交換するなら、工賃を含めて約20万~30万円の出費となるから話が変わってしまい、それなりの覚悟が必要になってくる。
個人的には、ブッシュについては、一般的にゴム(スポーツ指向の金属製もあるが)を材質として採用するのだから、いくら対策を講じても耐久性にはそれなりに限界があり、乗り心地に関しても影響は少なくないと捉えている。
足回り全体のメンテナンスの手順としては、どうしてもダンパー/スプリングの交換に合わせてということにならざるを得ないので難しい。
それでも、ブッシュの交換の交換は乗り心地に関しては、サスペンションの当たりに関してリフレッシュと呼ぶにふさわしい効果があることは間違いない。


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