「本気なら、ついて来い。」(1988年型RGV250Γ SP)
1983年に並列2気筒で登場し、ヒットを飛ばしたRG250Γ(ガンマ)。しかしホンダ、ヤマハの攻勢が激しく、人気、実力とも劣勢に追いやられてしまう。
起死回生を図り、新設計のV型2気筒を搭載したRGV250Γを1988年に投入。このVガンマはライバルに先駆け、レース向けのSP(スポーツプロダクション)仕様が登場したことでも話題になった。フル調整式のフロントフォークやシングルシートなどを備え、即サーキットに持ち込めるバージョンだ。
SP仕様のカタログ表紙にデカデカと踊るのは「本気なら、ついて来い。」のキャッチ。その自信に満ちた言葉に撃ち抜かれ、当時欲しくなったライダーも多いハズだ。
初代Vガンマはピーキーな特性で「ジャジャ馬」との評判だったが、SPはさらに玄人向け。特にクロスミッションはギヤ比が近く、シフトチェンジが頻繁になるため、スキルが必要だった!
「オレ、マジ スト、マジ」(ストリートマジックシリーズ)
ストリートマジックは、オートマの50cc2スト単気筒エンジンをダイヤモンドフレームに搭載するという変わり種で1997年デビュー。スポーティな構成なのにオートマというヤマハTMAXの先取りしていた存在であり、実にスズキらしい変態な(誉め言葉)1台だ。
広告には、芸能界を過日引退し、バイク好きでも有名な長瀬智也を起用。キャッチコピーは「オレ、マジ スト、マジ」だ。単なるダジャレのようだが、長瀬が言うとカッコイイし、“走りがマジなんだ”と力説したかったのだろう。
ギターサウンドと長瀬の歌が流され、「オレマジ、ストマジ」と語るテレビCMを覚えている人も多いのでは? それにしてもガンマといい、本気=マジが好きだねスズキさん!
「The Ultimate Predator(究極の捕食者)」(1999年型GSX1300Rハヤブサ)
トリを飾るのは初代ハヤブサだ(鳥だけに?)。時は1999年、最高速キングのホンダCBR1100XXを凌駕すべく、スズキが送り込んだ刺客がGSX1300Rハヤブサだった。
1299cc直4エンジンは当時最強の175psをマーク。独特な有機的ボディによる空力性能も相まって、公道市販バイク初のノーマル最高速300km/hオーバーを実現し、新たな最速マシンに君臨した。
世界的にヒットし、スズキを代表する1台にまで成長。2019年から2年の空白期間を経て2021年に3代目が登場しており、現在も好評発売中だ。
その初代1999年型の欧州向けカタログに踊るのが「The Ultimate Predator」(究極の捕食者)の文字だ。
「プレデター」と言えば、シュワツネッガーが出演した映画が有名だが、獲物を捕らえる側の「捕食者」を意味する。食物連鎖の上に立ち、猛禽類である隼をアピールしているのだ。つまりバイク界の最強マシンであることを意味していたのかも!?
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