政府は国民からの「免許&ヘルメット必要論」から逃げている?
これは奇妙な話で、政府は今回、道交法という法律に付随する「道交法施行令」や「道交法施行規則」に関するパブコメは実施したのに対し、免許不要やノーヘルを定めた道交法自体に関するパブコメは実施していないのだ。
本丸である改正道交法は1年以上さかのぼる2022年4月28日に公布。大体的に免許とヘルメットの是非について国民からパブコメで意見を募るべきなのに、そこはスルーとしていると見えてしまう。
とはいえ、今回のパブコメを通して国民の意見は届いたことになり、警察庁も前述のコメントで今後の改正に含みを持たせているように思える。
原付バイクは事故の増加でヘルメットが義務化された過去がある
電動キックボードのヘルメットが努力義務となったことで、筆者が連想したのは原付バイク(50cc以下)が辿った経緯だ。原付は当初ノーヘルから始まり、努力義務化を経て、結局ヘルメットの着用が義務化された。
51cc以上のバイクにヘルメットの着用が義務付けられたのは1978年。しかし「ソフトバイク」とも呼ばれた50cc以下の原付バイクはノーヘルでOKで、1978年に努力義務化された。この気軽さと、免許取得の容易さ、手頃な価格が相まって、原付は若者から年配まで大人気を博したのはご存知のとおりだ。
ところが、交通事故も急増し、1970年代後半から高校生に対するバイクの運転免許取得や車両購入、運転を禁止する「三ない運動」が本格化。それでも危険走行する人が増え、交通事故も減らなかったため、努力義務化から8年後の1986年、原付にもヘルメットの着用が義務化された。
現状、ヘルメットが努力義務の電動キックボードも、運転マナーに対する声が挙がったり、事故が頻発すれば、原付と同様、数年後に「着用義務化」の道を辿る可能性が大いにあるだろう。
免許に関しても同様。交通ルールを知らない人が公道で自動走行する乗り物を操る危険性は様々なメディアが示唆しているとおり。事故が増加すれば、原付と同じく学科試験のみで取得できる免許制度導入の可能性もありえる。
事実、海外では事故増加が問題視され、フランス(都市郊外)、イタリア(18歳以下のみ)、韓国ではヘルメットが義務付けられている。また英国や韓国では運転免許が必要だ。
正直、ライダー&ドライバー目線では、電動ボードユーザーに免許とヘルメットを義務化してほしいと考えている人も多いのではないか(筆者もその一人だ)。こちらがバイク&クルマの運転中、電動ボードユーザーに免許があれば、無謀運転での事故に巻き込まれる可能性が減る。そして万一、電動ボードと事故を起こしてもヘルメットがあることで深刻な事態に至るケースが減ると思うからだ。
一方で電動ボードに乗る人は、ぜひ自主的に交通ルールを学び、慎重な運転を心掛けて欲しい。その運転しだいで「免許とヘルメットが不要」という利便性が今後、消滅する可能性があるからだ。ともあれ、7月以降の動向を注視したい。
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コメント
コメントの使い方うがった見方になるが電動キックボードで設けたい奴がゴリ押しした様にしか見えない、自転車感覚で乗って、既にノーヘル信号無視右側通行なんでもござれ状態で無法地帯。これからもっと凄惨な事故増えますね。今の人歩行者から車まで身勝手な人本当に増えましたからね。