電車と路線バスを交互に乗り継ぐ……これで静岡県を通り抜けられるのか実際に乗って試してみた!!

　旅モノ企画での電車と路線バスの間柄といえば、「電車だけ」あるいは「バスだけ」、「電車 vs. バス」のような、排他的もしくはライバル関係に見立てた使われ方がトレンドな気がする。

文・写真：中山修一
（電車バス交互乗り継ぎチャレンジのフッテージ写真付き記事はバスマガジンWebもしくはベストカーWebをご覧ください）

■時には両者の顔を立てたい

　当方もバスマガジンWeb上で、普通は電車で行くような場所を、無理矢理バスだけで繋げる話を時々寄稿している。

　とはいえ常にそれでは、あまりにも移動手段が偏ってしまうので、たまには電車とバス両者の顔を立てながら移動してみたい、ふとそんな風に考えた。

　そこで、電車とバスを交互に乗り継いで行ったら、確保したスケジュールの上で最終的にどこへたどり着けるのか、なるプラン。ここではとりあえず「出発から96時間後」にいる場所をゴールに設定しよう。

　一応のルールを作っておけば、道中での刺激も多少は増えるだろう、ということで、以下のようなレギュレーションを設けておいた。

【基本ルール】
（1）各種公共交通機関を、種類が連続しないよう乗り替えながら移動
（2）乗っている列車やバスが終点に着いた場合、必ず別種の交通機関に乗り換える。必ず終点まで乗って行く必要はない
○：電車→バス→電車→バス→電車…
×：バス→電車→電車→バス→バス…
（3）電車で同じ駅を2回通ってはいけない
（4）ホテル等の送迎サービスとタクシーは「バス」に含める
（5）船（リセッター）利用可。ただし船→船への乗り継ぎはNG
（6）徒歩移動は最後に利用した交通手段の延長線上
（7）新幹線は1日1回のみ利用可・距離100.99kmまで
（8）送迎とタクシーは合わせて1日1回のみ利用可・距離9.99kmまで
（9）初電→終電・初バス→終バス　みたいなのは忙しないのでよしとこうや
（10）デジタルガジェットのフル活用可・ただし絶対にメモを取ってはいけない

【利用できない乗り物】
高速バス、夜行列車、飛行機、距離100km以上の航路

■熱海に気をつけろ!

　では、どっち方面へ向かうか。検証をやった2月下旬の季節柄、西の方へ行けば天気も良いだろうと踏んで、自宅に近い横浜駅をスタート地点にして、青春18きっぷのシーズンになると賑わう東海道線沿いを下ってみることにした。

　自宅の出発時刻は朝10:00。一応横浜駅までもバス→電車→バスで向かった（えらく時間かかった…）。最初は電車を使って移動すると決めたが、初っ端から注意したいポイントが浮かび上がってくる、熱海だ。

　熱海で降りてしまうと、そこから乗り継いで先へ進めるバスがほとんどないのを思い出した。湯河原で電車を降りて熱海行きの路線バスを使う手も考えられるが、本数が少なくタイミング的に2時間待ちとかになりそう。

　結局のところ、修善寺行きの特急「踊り子」を使って三島で下車するのが、その時点で考え得るスムーズな行き方だろうと判断した。この場合Suicaではなく必ず紙の乗車券を買って乗らないと、やっぱり熱海で詰んでしまうので油断は禁物だ。

■意外と難しい!? バスが出ていそうな駅の見極め

　電車／バスを交互に乗り継ぐのなんて簡単でしょ? と思っていたが、例によって最近は鉄道のレールに並行して進む路線バスはマイナーな存在。そのため、ここで降りれば要望に適ったバスが出ているだろう、と予測する見極めが案外難しいのに気付いた。

　三島駅は「確か沼津行くバスがあったハズ」と、朧げな記憶から選んだ下車ポイント。予想通り沼津方面へのバスが2事業者から出ていた。

　ここまでと、その後の行程を記すと……

【電】横浜→（特急踊り子9号）→三島
【バ】三島駅前→（伊豆箱根バス沼51系統）→沼津駅前
【電】沼津→（JR東海道本線）→東静岡
【バ】東静岡駅南口→（しずてつジャストライン県立美術館線）→静岡駅前

……といった具合。東海道線には熱海〜豊橋を直通する列車もあるのだが、これまたタイミングが全く合わず、小刻みに進まざるを得ない状況に陥ってしまった。まあそのほうが楽しいけど。

　電車／バスの乗り換え待ち時間に関しては、どうも“行ったばっかり”の波に乗ってしまったようで、大体20〜30分待ちといったところだった。時刻表調べないで来ると大体そうなるのが運命。

　それにしても近年は315系の増備で静岡県界隈に流れてきた、転換クロスシートの313系が番台を問わず出入りするようになっていて、ちょっとカルチャーショック。

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