■どんな場面で使われる?
人を乗せて運ぶバスとなれば安全確保は尚更で、手歯止めの使用を徹底しているバス事業者がほとんどだ。標準装備に近く、基本的には1台につき2個の手歯止めを車内に積んでいる。
2個の手歯止めは大抵、タイガーロープやプラスチックの鎖で繋いである。これはバラバラにしておくと紛失しやすくなるための対策と見られる。よく目立つ黄色が主流のようだが、木目が剥き出しの手歯止めを使用しているところもある。
2個とも前輪左タイヤ下の接地面の両側を挟むようにして手歯止めを置くのが基本で、右タイヤや後輪には殆ど使わない。状況に応じて左タイヤの片側に手歯止めを2個並べて置くのも活用例の一つだ。
使用するタイミングとしては、まずバスターミナルなどの待機レーンにエンジンを切って停車している間が挙げられる。そのほか営業運転中の折り返しの合間に手歯止めをかけることが多い。
いずれの場合も、乗務員が車両から離れるアクションが含まれると、ほぼ確実に手歯止めの出番と考えて良い。
停車させる位置によっては、もし転動しても歩道側に車両が行かないよう、タイヤを右方向に曲げた状態のまま、手歯止めをタイヤに噛ませる合わせ技も見られる。
バスの手歯止めは、安全に安全を重ねている事業者の姿勢を表す証とも言える、縁の下の力持ち的存在だ。
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