エリック・クラプトンも買い求めた小型オープンカー フィガロ(FK10型)
K10マーチベースのパイクカーの最後を飾るのが、1991年に登場した小型オープンカーのフィガロです。
Be-1とパオが3ドアハッチバックだったのに対し、フィガロはつるんとした形状のボディで、ぽこっと出っ張った小さなキャビンがトレードマークの2+2クーペとして登場しました。
ルーフは中央部のみキャンバス製で出来ており、後部へ手動で格納するとオープンカーとなる、凝ったつくりとなっていました。
インテリアも、スイッチはフィガロ用に専用設計され、本革シートやアイボリーのインテリアも合わさり、高級感と優雅な雰囲気も漂わせていました。台数は限定2万台とし、3度に分けて抽選するという販売方法が採られました。
フィガロは、海外でも大人気となっており、特に左側通行の国イギリスでは、フィガロのクラシックな雰囲気と、右ハンドルで運転できることで、好まれています。
エリック・クラプトンをはじめとする海外のセレブも買い求めるほど魅力的な一台でした。
まさにデンデンムシ!いま見ても新鮮なデザインのエスカルゴ(G20型)
そしてもう一台、VN10型のパルサーバンをベースに作られたパイクカーがエスカルゴです。
1989年1月から1990年12月の2年間、受注生産方式で販売され、約1万600台が販売されました。
カタツムリを表すEscargot(エスカルゴ)、貨物を表すCargo(カーゴ)のスペイン語読みカルゴを掛けて名づけられました。
その特徴的な丸くて背の高いルーフ形状や、キョロッと飛び出したヘッドランプなど、見た目もデンデンムシそっくりに作られており、レトロでかわいい商用車として作られました。
ベース車両に1978年登場の古いパルサーバンが選ばれたのは、リアサスペンションがリーフリジットではなく、低い床を実現できるフルトレーリングアーム式独立懸架だったから、とのこと。
インテリアも特徴的なつくりをしています。ステアリングホイールの奥には、フラットなテーブルの様なスペースがあり、書類や荷物を置くことができました。
他にもセンターメーター、1スポークのステアリングホイール、インパネシフトなどを採用しており、商用車としての使い勝手も確保されていた一台でした。
まとめ
実は、日産の現在のラインアップにも、マーチボレロという軽めのパイクカー的なグレードは存在しています。
ただし、ベースとなるマーチに日産がまったく手を加えないために話題にも上がらず、マーチボレロも注目される機会が殆どありません。
EV化やe-POWER化をしていけば話題には上がるでしょうが、おそらくそれだけでは、大した効果は得られないでしょう。
現代の人が待ち望んでいるクルマは、自動運転、コネクティッド、電動化だけではないはず。
先進安全技術に加えて、これらパイクカーのような遊び心が備えられれば、面白いことにならないでしょうか。
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