ホンダ的高級車「アキュラ」の今 幻の日本導入宣言から15年!!

■屋台骨はSUV アキュラ最量販車は「RDX」

北米アキュラで最も好調なセールスを記録するコンパクトSUV「RDX」。プラットフォームはCR-Vと共通だが、各部は専用に開発されており、見た目は全くの別物だ

 今や屋台骨となっているのが、もう一つの主力、SUVである。米国規格だとコンパクトとミッドサイズの2種類のSUVを用意。

 コンパクトSUV「RDX」は、北米アキュラで最も好調なセールスを記録するモデルだ。プラットフォームこそCR-Vと共有するが、各部は専用に開発されており、ビジュアル面での共通性は皆無。

 ファミリー色はなく、スポーティかつアバンギャルドな都会派クロスオーバーに仕立てられている。パワートレインも、10ATを組み合わせた2.0Lの4気筒ターボエンジンを搭載する。

 もう一台が、アキュラSUVのフラッグシップとなる「MDX」だ。ミッドサイズとはいえ、5m弱あるボディは迫力満点。アキュラ唯一の3列7人乗り仕様となるが、走りへの妥協もなく、ニュルブルクリンクでの開発テストを実施しているほど。

 3.5LのV6が基本だが、フラッグシップセダン「RLX」同様に、3モーターハイブリッドとSH-AWDを組み合わせた仕様も用意。こちらはエンジンが3.0LのV6に変更される。

写真のミッドサイズセダン「TLX」は、中国では仕様を変更し、ロングボディの「TLX-L」となっている。中国市場ではロングボディが人気のため標準ボディ設定がないというのが思い切りがよい

 番外編として、中国市場専用車も簡単に紹介しよう。ミッドサイズセダン「TLX」は、中国では仕様を変更し、ロングボディの「TLX-L」に。標準ボディなしというのが、いかにも中国らしいところ。

 ちなみに中国では、ロングボディが人気のため、他の高級車ブランドも、他市場には存在しないロングボディを設定することが多い。

 中国の完全オリジナルとなるのが、「CDX」。プラットフォームこそヴェゼルのものを流用しているSUVだが、ボディサイズは一回り以上も拡大され、堂々たるものに。

 キャラクターは、ヴェゼル同様に都会的かつスポーティな内外装だが、無論、異なるデザインとなり、豪華な作りだ。1.5Lターボと2.0Lのハイブリッドが展開される。この2車種は、いずれも中国で製造されている。

■米国発の強みを活かしきれていない!?

アキュラはその99%が米国製で、海外製レースゲームなどでは見慣れたブランドだが、現地での販売数を見ると存在感は薄め。米国製の強みが活かされていないというのが正直なところだ

 米国育ちのアキュラは、ホンダの米国戦略の巧みさから、日本の高級ブランドの先陣を切ることができたが、その成長と活躍には、歯がゆさも感じる。

 すでにロシアやブラジルといった新規市場からの撤退。中国市場でも専用車を投入するなど努力しているが、現地でのホンダ車販売と比較すると、存在感は薄め。

 また、念願だった日本導入も断念するなど、そのブランド力を活かしきれていないのが現状だ。主戦場となる北米での2019年の販売台数も、ホンダ全体の約9.4%に過ぎない。

 輸入車ならば、仕方なしともいえるが、アキュラは、その99%が米国製。その強みが活かされていないとも映るのだ。

 しかし、世界最大の自動車市場である米国を中心に展開するアキュラは、アメリカを第2の故郷とする日本の高級車だ。何よりも米国ファンの声に機敏に応える現地開発拠点もあり、そこではホンダではなく、アキュラ視点のクルマ作りが行われている。

 アメリカナイズされたホンダらしい新たな高級車像が築ければ、今の世界の高級車とも異なる新しい存在となれるのではないか。そういう点でも、タイプS復活が予告させるスポーツセダン新型「TLX」の活躍に期待したい。

【画像ギャラリー】国内展開はもう望めないのか!? ホンダの北米向け高級ブランド「アキュラ」を写真で見る!!

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