■今後アルファード1本化に伴う販売格差の拡大が予想される
今年1~2月のヴェルファイアの登録台数は2カ月合計で1999台で、前年同期比は46.2%減と半減した。2月時点での登録車銘柄別の販売ランキングは45位と大きく後退している。
今後はさらに両モデルの格差が開きそうな状況が予想される。
アルファード/ヴェルファイアはともに2021年4月28日に一部改良を予定しているが、この際に両モデルのラインアップが大幅に再編される。今回の変更はヘッドランプの法規対応の実施に伴うものである。安全対策強化のためにオートライト装備(ヘッドランプを夕暮れ時に自動的に点灯、つけ忘れによる事故防止を強化する)というもの。
これに合わせた両モデルのラインアップ再編は販売不振のボディカラーである「ラグジュアリイホワイトパール」の廃止、ヴェルファイアは特別仕様車の「Zゴールデンアイス」のみを残し、あとのカタログモデルをすべて廃止する、というものである。
この施策により、さらにアルファードの販売は伸びる見込みで、次期型は「ヴェルファイアを廃止してアルファードに1本化する」という見通しが濃厚になる。
■一部改良版が4/28発売、生産開始は5/10
この原稿の執筆時点(2021年3月下旬)での最新販売状況と、新型情報をお届けする。
GW直前に一部改良が実施され、現在販売店に見積もりをとりにいくと、この一部改良車と在庫車を薦められる。従来モデル(在庫車)は最終仕様の割り当てぶんのみであるが(もし在庫があれば大幅値引きが期待できる)、アルファード/ヴェルファイアともに、在庫は少なく、改良モデルの事前受注待ちの店がほとんどである。
この一部改良モデルは3月末か4月上旬にかけて先行予約を開始する見通し。商品内容は従来モデルとほぼ変わらないので、車両本体価格は据え置かれる可能性が強い。一部改良モデルの発表、発売は4月28日であるが、生産開始が5月10日頃であり、初期受注分の納期は早くても5月下旬あたりから…と予想される。
■両車とも2022年中盤頃にフルモデルチェンジか
次期型はどうなるか。
まだ正確な情報は流れていないが、アルファード/ヴェルファイアともに2022年中盤頃にフルモデルチェンジすることが濃厚になっている。
この時点でヴェルファイアを廃止し、新型アルファードに1本化されるわけだが、ヴェルファイアについては今年中にオーダーストップとなる可能性もある。
次期型はキープコンセプトであり、全高を若干引き下げ走行安定性の向上を図るものと思われる。パワートレインは2.5Lエンジン+モーターのハイブリッドを搭載する。現行モデルについては3.5LのV6エンジン搭載仕様も用意されているが、次期型に純ガソリン仕様が用意されるかどうかは、まだ明確な情報は入ってきていない。
2030年から東京都内で純ガソリン車の販売ができなくなる可能性があるとすると、次期型には純ガソリン仕様は用意されない可能性もある。
■「40万円近い値引きも」証言1:首都圏トヨペット店営業担当者
アルファードが絶好調で売れているのは、同モデル自体の人気の高さに加えて、ヴェルファイアがモデル廃止になるとの情報が流れて、こちらにお客さんが流れていることが第一要因に上げられる。
もうすく無くなる車種を売るのは修理部品の供給リスクを抱えることになるので、「(アルファードとヴェルファイアで)どっちがいいかな」と迷うお客さんには、さりげなく「アルファードにしましょうよ」と誘導することもある。試乗車がアルファードばかりなのも大きい。
またエスティマの生産中止やクラウン、マークXなど高級車ユーザーが乗り替えていることの影響もある。現時点では特別仕様車「2.5ガソリン仕様 S”タイプゴールド”」を中心に売れている。ナビ、ETC、ドライブレコーダー、コーティング装備だと、総支払い額で40万円近いの値引きが可能になっている。
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