関東圏の走り屋の「聖地」初心者必読!! 大黒PAの伝説と「オキテ」


 1989年9月、横浜ベイブリッジの開通とともに開業した大黒パーキングエリア。近年は英国BBCをはじめとする海外TV局も大挙して取材に訪れる「聖地」でもある。関東圏に住むクルマ好きなら一度は耳にしたことがあり、「訪れてみたい!」という人も多いであろう大黒PAについて、大黒PA歴32年! の筆者が独断と経験をもとに「大黒PAのオキテ」についてお伝えしてみたい。

 文/加藤久美子 写真/加藤久美子、加藤博人

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■大黒PAはなぜこんなに人気になったか

関東圏の走り屋の「聖地」初心者必読!! 大黒PAの伝説と「オキテ」
2021年6月の大黒PA。この夜も大盛況です

 大黒パーキングエリア(PA)は、首都高速神奈川5号線上、大黒埠頭の一角に位置している。1989年に横浜ベイブリッジが開通した直後から、デートスポットとして人気を集めるようになった。当時は「クルマ好きの聖地」というよりも、ドライブデートの定番スポットだったのだ。

 クルマ好きが集まる場所として認知されるようになったのは1990年代前半からである。東京方面、神奈川方面に加え、1997年12月に東京湾アクアラインが開通してからは千葉方面からもアクセスしやすくなったことでますます人気を集めるようになった。

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BBCの伝説的なクルマ番組『トップギア』も大黒PAの取材に訪れたことがある。写真右は司会のマーク・ルブラン氏(写真左は当記事筆者の息子、加藤博人氏)
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さすがBBC、撮影クルーが100人以上という大所帯で取材に

 ちなみにクルマ好きが集まる首都高PA(=夜間閉鎖の対象となる)といえば、芝浦や辰巳第一、箱崎などが有名だが、実際これらのPAは初めて行く場合はとくにわかりづらい。芝浦や辰巳第一は位置関係さえ認識すれば、2回目以降は迷うことはないだろうが、箱崎PAは直前まで標識がなく分岐も多く、ホントにトリッキーだ。

 それに対して、大黒はとても行きやすく標識などもわかりやすく表示されている。また、駐車台数も多く(普通車335台 / 大型車58台)、停めやすい。

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大黒PA入口の掲示板。大型貨物利用可の掲示は今回初めて(この日は随所に出ていました)

 東京湾アクアライン上にある「海ほたるPA」も千葉・神奈川両方から行きやすいのは確かだが(海ほたるでは合法的にUターンもOK)、川崎方面からと木更津方面からとでは駐車場のフロア階が異なる構造になっている。人の行き来は自由にできるが千葉方面、神奈川方面から来たクルマはそれぞれ駐車スペースが違うフロアになる。

 また、大黒PAで注意すべきは「大黒ふ頭出口」で間違って高速道路を降りてしまう人が意外に多いということ。大黒ふ頭で出ると、大黒PAにすぐには戻れないので注意してほしい。

■初めてならまずは最前列に駐車すべし

 パーキングエリアというからにはまずはもっとも重要な「駐車」に関するオキテから。

(1)大型車駐車スペースには絶対駐車禁止!

 大黒PAに入るべく坂を下りきったところで、最初に出て来るのが大型車スペースだ。乗用車はここに絶対止めてはいけない。ここは昼夜問わず働いているトラックドライバーのための休憩スペースだ。

 トラックドライバーは労働基準法によって、連続4時間運転したら30分以上の休憩をとる(分割も可)ことなどが義務付けられており休憩時間はデジタルタコグラフなどで厳格に管理されている。限られたスペースしかない大型スペースに停めるのはNG。

(2)初めての場合、また見学の場合は最前列に停める。

 「大黒PAはどんなところか? どんなクルマがいるのか? まずは見てみたい」という場合は、最前列(フードコート側)の斜め駐車スペースに頭から突っ込んで停めるのがマナーだ。週末の夜でもこのエリアは比較的空いている。クルマを停めてから中央の歩行者用通路を使って歩いて見学すればOK。

 また、先に来ている仲間がどこに停めているのかわからない場合も、いったん最前列に停めて場所を確認してから仲間がいる場所に移動すれば安心だ。

(3)同車種が並んでいるエリアには停めないのがマナー

 これは(2)とも重なるが、初めて大黒に来た場合、クルマをどこに停めていいか迷うこともあるだろう。絶対にやってはいけないのは同じ車種が集まっているスペースに停めることだ。

 例えばアルファードが10台くらいずらっと並んでいる間に1台だけスペースが空いていてそこに分け入って停めるのはできれば控えたい…。同じ車種が並んでいる両端に停めるのもできれば避けよう。他に選択肢がないほど混雑していれば話は別だが、空気を読んで停めるべし。

(4)シャコタン(=最低地上高が低いクルマ)は歩行者用通路の段差に注意!

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リップスポイラーをぶつけないよう、歩行者通路の横断には細心の注意をはらって通過

 大黒PAの中央を貫いている歩行者用通路。PAに入るとどこに停めても(大型スペース除く)どこかで必ず一度はこの段差を乗り越えなくてはならない。直前に「段差アリ」の表示はあるが、恐らく気づかないことも多いだろう。

 3-4cmの段差があり、車高の低いクルマはどれもスピードを落として走る場所である(それでもリップスポイラーなどをぶつけているクルマもいるが)。この段差の前では歩行者注意の意味も含めて、いったん停止するくらいの速度で通過して欲しい。

(5)PA内の周回は不可

 大黒PA内は周回ができない構造になっている。駐車列の間は一方通行になっているので、反対方向に走るのは「逆走」になり取締りの対象になる。どうしても元の場所に戻りたい場合は、一度大黒PAを出て首都高K5やK1を使ってぐるっと回って戻るべし。ちなみに首都高は出口を出なければ周回しても無料である。

(6)トラックレーンの走行厳禁

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右折禁止の標識。ここを右に曲がると大型車専用レーンを逆走することになる。ちなみにすぐ左は神奈川県警の大黒分駐所だ

 これも上記(5)に関連するが、大黒PAで「周回」しているクルマは大型車専用レーンを「逆走」しているケースが多い。単に間違えたのではなく、大型車の駐車スペースに入って意図的に逆走→周回をしているクルマも少なくない。

 トラックドライバーにとって、逆走車との遭遇は戦慄が走る瞬間。絶対にやってはいけない。また、右折禁止の看板がある場所の反対側は神奈川県警察高速道路交通警察隊の大黒分駐所がある。取締り対象になる可能性もある。

(7)ボンネットを開けたままクルマを離れてはダメ!

 大黒PAではボンネットを開けたままクルマを放置しているドライバーを時々見かけるが、これはとても恐ろしいこと。盗難される危険性が高くなる。もちろん、その場で盗難されるということではない。

 日本車の場合、車台番号はエンジンルーム内に刻印されるのが一般的だが、その車台番号と車両番号(ナンバープレート)をコピーすると、後日これらの情報をもとに運輸支局で所有者の氏名や住所を調べることができる(詳細は割愛するが、所有者の許可なく第三者でも調べることは十分可能)。

 住所を知ったらあとは盗みに行くだけ。とくに80スープラやR34スカイラインなどいわゆる「JDM(Japan Domestic Market)」と呼ばれ、海外で絶大な人気を誇るちょっと古い国産スポーツカーは要注意!

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