2030年、日本でどんな新車が売られているか? その激変度は!?

2030年、日本でどんな新車が売られているか? その激変度は!?

「9年後」というのは難しい未来だ。世界が大きく変化している可能性も、それほどしていない可能性もある。2030年、日本ではどんな新車が登場しているのか? 自動車評論家、鈴木直也氏と国沢光宏氏が予測する。

文/鈴木直也、国沢光宏
初出/ベストカー 10/10号より

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■EV大ブレイクの初期爆発が起きている【鈴木直也】

 自動車という商品は、開発をスタートしてから世に出るまでが長い。デザイン変更が中心でメカ部分はキャリーオーバーで済ませても3〜4年。パワートレーンからすべて一新するとなると6〜8年。だから、企画については相当先読みをして常にアイディアを練っていないと遅れをとる。

 ましてや、いま自動車業界は「100年に一度の変革期」と言われている時代で、カーボンニュートラルという国策に沿って電動化を加速させるのが必須要件。メーカーの企画部門は「2030年にどんなクルマを売るか」について、熱い議論を戦わせている真っ最中だと思う。

 こういう前提に立つと、2030年にはこれからネタを仕込んだEVがたくさん登場し、新車の半分くらいはEVになってて当然という気もするが、果たしてどうだろう?

 供給側の事情はかくのごとしとしても、自動車はそれなりに高価な商品だからユーザーは基本的に保守的だ。

 9年後のEVがより低価格で高性能になっているのは間違いないとしても、それだけで売れるほど市場は甘くない。初期のプリウスやテスラのように、多くの人に「欲しい!」と思わせる話題作が出ると、それを変革の起爆剤として新しいマーケットが生まれるのだが、果たしてどこのメーカーがその鉱脈を掘り当てるのかは神のみぞ知るだ。

 さらにヤヤコシイのは、政府のエネルギー政策がEVの売れゆきを大きく左右すること。

 9年後も手厚い補助金が出ているか。急速充電インフラはどのくらい充実しているか。自宅駐車場に充電設備があるユーザーの割合はどうか。再エネ振興による電気料金の値上がりはどの程度か。そして、中古EVのリセールバリューはどのくらいあるのか?

 こういう複雑な条件をすべて考慮して、その上でユーザーが「こりゃ、どう考えてもEVを買ったほうがお得だな」と思った時こそがEV時代の幕開け。個人的な予想ですが、2030年までにはそんなEV大ブレイクの初期爆発が起きているんじゃないかと思う。

 現在からの変化率は、HVやPHEVを含む内燃機関車については130%。バッテリーEVについては300%くらい。トータルで200%かな?

2025年までに発売する予定のレクサスLF-Z Electrified<br>
2025年までに発売する予定のレクサスLF-Z Electrified

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