クルマの運転はさまざまな情報を得て認知し、それを判断し、操作するという運転のループを回すことで安全運転を可能にしています。このループがスムーズに回らなくなると運転はだんだんと不安定になっていき、ループが途切れることで運転ができなくなります。
まず最初の情報を得るという部分ですが、このなかでもっとも大きなウエイトを占めるのが「目からの情報」です。道路の状況をはじめとして信号、標識、歩行者、他の交通……目から得る情報は運転に必要な情報の90%を占めると言われます。
そこまで重要な「目からの情報」を、あっという間に奪うのがウインドウの曇りです。ウインドウが曇ってしまうと、車外の情報はどんどん入ってこなくなってしまいます。こうした事態を避けるためにも、クルマのウインドウが曇った際はどうすればいいのか? 曇らないためにはどうすればいいのか? を探っていきましょう。
文/諸星陽一
写真/Adobe Stock メイン(WORLD PRODUCE@Adobe Stock)
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■ウインドウの曇りはなぜ起こるのか
ウインドウが曇るのは車内の湿度が高く、ウインドウの内外で温度差があるときです。温度の高いほうが曇るので、夏のムシムシしたときにエアコンの風がウインドウに当たっていると外側が結露して曇ります。
車内の湿度が原因、温度差がきっかけですから、そのどちらかを取り除けば曇りは防ぐことができます。とはいえ、寒い時期に室内を寒くはできないので、湿度を低くすることが基本となります。
湿度を低くするにはエアコンの使用が有効です。
車内温度がちょうどいいからといって、雨が降っている時などにエアコンを使わずに送風だけにしていれば、湿度は高い状態となるので曇りは進むでしょう。
また、乗員の呼吸も湿気の大きな原因となります。人間の身体から1日に出ていく水分は2300ccと言われます。平均して1時間に96ccとなります。4人でクルマに乗っていたら、1時間に約カップ2杯分の水を車内にまいている状態ですから、かなりの水分量です。
誰かを迎えに行って帰ってくるときなど、乗員が増えていたりすると「さっきは曇らなかったのに、なんで今は曇るのかな?」と思うこともあります。
また、雨の降っているときに雨に濡れた傘を持ち込んだり、びしゃびしゃに濡れた服で乗り込んだりすることも曇りの原因となります。クルマにのるときはきちんと傘をさして服や持ち物が濡れないようにするとともに、濡れた傘はできるだけ雨粒が残らないようにすることなども大切。
ようはクルマの中に水分を入れないことが大切なのです。
しかし、そのようなことに気をつかっても、どうしても水分は車内に入ります。そうしたときに有効なのがエアコンなのです。エアコンを使って車内の湿気を取り除いてしまえば原因がなくなるので曇りは解消します。
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