「ランドクルーザー」というと200系や新型の300系を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。確かに、2021年6月にフルモデルチェンジをおこなったランドクルーザー300は大きな話題となった。しかし、販売台数に目を向けると、その中心にはランドクルーザープラドがいるのをご存じだろうか。
直近の2021年8月における新車販売台数は、ランドクルーザー300が590台に対して、ランドクルーザープラドは1970台と大きな差がある。プラドは2021年累計(8月現在)で2万2190台と、カローラツーリングやノアに匹敵する販売台数を誇るのだ。
現行型は2009年に登場し、すでに12年が経過する。モデル末期となり新型へのモデルチェンジも噂されるなか、それでもなお、安定した販売実績を残し続けるプラドの価値に迫っていく。
文/佐々木亘、写真/TOYOTA
【画像ギャラリー】新型予想CGあり! 新旧ランドクルーザープラドを写真で詳しく見る(16枚)画像ギャラリー■ランドクルーザープラドの魅力は優れた使い勝手
クロスカントリーのイメージが強いプラドだが、その真価は悪路以外でも充分に感じられる。まず、プラドの魅力は卓越した使い勝手の良さにある。
ボディサイズは全長4825mm×全幅1885mm×全高1850mm。プラドはミドル~ラージサイズミニバンと同じような感覚で使えるクロカンSUVである。サイズ感はノア以上アルファード未満というちょうどよさで、SUVユーザーだけではなく、ミニバンユーザーからの人気も高い。
3列シートSUVとして、余裕のあるサードシートを備え、大人が充分な姿勢で座ることができる。サードシートを使わない時には、床下へ格納し巨大なラゲッジスペースを確保することができるのだ。
この床下格納サードシートの採用が、プラドをミニバンと戦える存在に押し上げた。ノア・アルファード・ランクル200はすべて跳ね上げ式のサードシートであるが、プラドだけは2009年当初から、サードシートを床下格納としている。単純な走破性の高さだけが売りではなく、SUVの枠を超えた居住性の高さが大きな魅力である。
シャシーや足回りは本格クロカン、室内はミニバン顔負けの広さを誇る。販売店としてはSUV志向のユーザーだけでなく、ミニバン・ワゴン等の様々なユーザーに幅広く提案できるクルマであり、販売面での使い勝手もいい。
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