■変わらないことを選び、価値を高めたプラド
中古市場が値崩れしにくいのもプラドの魅力のひとつだろう。
一例ではあるが、トヨタ認定中古車では5年落ち4万7000km走行の「TX-L」(新車価格:432万7000円)が338万円で販売されている。長期間にわたり、中古車市場の安定は残価率の高さや下取り査定の安定感を生み出すため、営業マンも新車のプラドを勧めやすくなるのだ。
また、中古車自体の人気も高く、常に商品は新鮮な状態である。筆者の経験でも、プラドの中古車は展示場に入ってくるなり、即売れていく。
小変更やマイナーチェンジは何度もおこなっているが、大きく見た目を変えてこなかったプラドは、中古車でも古さを感じにくい。変化が少ないからこそ、中古車を選んでも満足感が高いのだろう。
モデルチェンジを機に、大きく変わることで支持を集めるクルマがあるが、プラドは変わらないことを選び、それがプラドの価値を高める結果となっている。変わらずに価値を高め続けられるというのは、クルマの根本的な性能の高さがあってこそ成り立つ。
新車のみならず、中古車での高い人気が、長いモデルライフと厚い支持層を築いてきたのだ。
■モデル末期も関係なし! ディーゼルを中心に売れ続ける人気車
現在のトヨタラインナップのなかで、最古参の乗用車がプラドだ。しかし、ここ数年常にモデル末期と言われつつも、年間2万~3万台の販売台数を維持し、ランドクルーザーシリーズにおける8割弱の販売を占めている。なぜ、ここまで売れるのだろうか。
走破性・居住性の基本性能の高さはもちろんだが、要所で効果的な改良を加えているのがポイントだ。
特に、2015年6月の一部改良でディーゼルターボエンジンを復活させたことが、現在のプラド人気を支える一番の要因であろう。ディーゼルの追加は、フルモデルチェンジに近い衝撃を与え、加速度的に販売を増やした。そして、現在も安定して売れ続ける力を備えることとなったのだ。
ユーザーにとって使いやすく、営業マンにとって売りやすいクルマがプラドである。特にモデルチェンジやマイナーチェンジを行っても、大きな変化がないため、売り慣れたプラドを同じ感覚で売り続けられる。営業マンとしてはありがたい存在だ。
トヨタの80点主義は有名な話だが、SUVカテゴリーでは、80点主義によって作られた筆頭がランドクルーザープラドであろう。総合力の高さはトヨタラインナップの中でトップクラスだ。
2022年のモデルチェンジが噂されているが、今後も変わらずプラドの価値を残していってほしい。
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