自宅で充電するためには専用の充電設備が必要
一般的には、EVとPHVには普通充電用と急速充電用の2つの充電口(ポート)が設置されている。ただし、テスラのように1つのポートで普通と急速充電ができるクルマもある。
普通充電器は、一般に使用される単相AC200Vまたは100Vを使用する。ただし、100Vのコンセントに対応している車種は少なく、多くは200Vのコンセント対応となる。急速充電器より充電時間はかかるものの、自宅で充電ができるため、就寝時などクルマを使用しない時間帯を使って充電ができるという利点がある。
ただし、自宅で充電するためには専用の充電設備が必要だ。充電器には、コンセント型と充電ケーブル付きがあり、コンセント型の場合は、製品本体の価格は5000円以内で購入できるが、充電ケーブル費用と設置工費が必要なため、トータルで10~50万円程度はかかる。充電ケーブル付きの場合はトータルで30~100万円程度と、高めとなる。いずれにせよ、費用は業者によってかなりの幅があるので、比較検討をすることは必須だ。
初期投資はかかるが、クルマの使用頻度が高い人は、専用の充電設備の設置することをお薦めしたい。夜間の電気料金が日中よりも安くなるプランを利用できるなど、ランニングコストが安くできるうえ、充電を待つ時間の節約にもなるため、長い目で見るとお得だ。
戸建てなど専用の充電設備が設置できる環境が整っていることも条件となる。マンションなどの集合住宅では、個別に充電設備を設置することは困難だ。
いっぽうのPHVはガソリンエンジン併用であることからEVほど頻繁に充電する必要はない。そのため、専用の充電設備の必要性は低いだろう。
充電時間はどのくらいかかる?
おおいに気になるのは充電時間だろう。充電時間は車種によって差はあるが、端的に言うと、カタログに表記されているバッテリー容量の数値が大きければ大きいほど充電時間は長くなる。
バッテリーの容量が大きいほどたくさんの電気を貯めることができる反面、満充電までの時間もかかるのだ。ざっくり言うと、同じ条件で充電した場合、バッテリー容量が100kWhのクルマは50kWhのクルマの2倍の時間がかかるということだ。
また、電圧も充電時間に関わってくる。電圧が低いとバッテリーに電気を流し込む力が低くなるため、充電時間が長くなってしまう。例えば、100Vで充電すると200Vの約2倍の時間がかかることになる。
おおよその目安だが、一般的に家庭の充電用コンセントの出力は3kW(200V)なので1時間でおよそ3kWhを充電することができる。バッテリー容量を3kWhで割れば、おおよそではあるが充電時間が推測できる。より正確な数値はメーカーが提示しているので必ずチェックしておこう。
急速充電器は、充電スタンドにより電圧は異なるが、普通充電よりも高い電圧で電流を流すため一般的に30分程度で約80%まで充電可能だ。いっぽう普通充電は、10時間を超えるものが多い。
ちなみに、急速充電器はバッテリーへの負荷を減らすため、バッテリー容量の80%程度を上限として充電することが一般的となっている。
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