愛車が泣いている!! 知らないうちにクルマにダメージを与えるNG行動

メンテナンス不足はダメージの元凶

■タイヤの空気圧が適正値ではない
 見落としがちなのがタイヤの空気圧。自転車と同様、クルマも自然にタイヤの空気は抜けてくる。空気圧が少ないまま走行すれば燃費が悪化することはもちろんのこと、張りが足りないため、補強の入っているタイヤのサイド側に負担が集中して中央部に比べて摩耗が早く進む、偏摩耗を招く。
 さらに高速走行をすると、タイヤがたわんで操縦安定性が低下するだけではなく、変形を繰り返したことにより発生した熱でタイヤの構造材が破損してタイヤがバーストする「スタンディングウェーブ現象」を起こす可能性もあり、とても危険だ。
 いっぽう、空気が抜けてしまう分を見越して、適正値より高めの空気圧に設定することもNG。空気圧が高すぎるとタイヤが張りつめすぎての中央部分の摩耗が進行したり、接地面積が減ってグリップ性能が低下してしまう。
 適正空気圧は説明書や、ドアの開口部に貼られたラベルで確認できるため、必ず推奨されている値の範囲内の空気圧を保つようにしよう。

■消耗品のチェック、交換を怠る
 エンジンオイル、冷却水、ブレーキフルードなど、クルマは消耗品の集合体だ。技術の進歩で長寿命化し、交換頻度が少なくなっているものもあるが、使用環境によって消耗具合は異なるため注意が必要となる。
 劣化したエンジンオイルをそのまま使用し続けると粘度が下がって十分に潤滑できず、エンジン内部のパーツの摩耗、異音や焼き付きが発生する恐れがある。さらに、ブレーキパッドを交換しないで使っていると、パッドの硬い裏板やブレーキピストンがディスクローターに押し付けられるて削れてしまう。
 消耗品の交換はケチりがちだが、必要なものはケチらずに交換することが長い目で見れば大きな節約となることは心しておこう。

■雪道を走行した後に洗車をしない
 雪が多く降るエリアでは道路に積もった雪を融かすための融雪剤や、凍結防止剤が撒かれていることも多い。これらには金属のサビや腐食を進行させる塩化ナトリウムをはじめとした有害な成分が含まれている。そのため、雪道を走行した後は融雪剤が付着しやすい下回りを中心にしっかりと洗車をして有害物質を除去する必要がある。
 また、融雪剤ほどではないが、潮風や海水などにも塩化ナトリウムが大量に含まれているので、こうしたエリアを走行したら必ず洗車を行うようにしよう。

■長期間に渡りクルマを動かさない
 長期間クルマを動かさないことは車両全体の劣化を招く。エンジンオイルを長期間に渡り循環させないと油膜切れを起こしやすく、シリンダー内にサビが発生してピストンが固着したり、動いても十分な潤滑ができず焼き付きを起こす恐れがある。
 また、タイヤは地面と接している部分が平らに変形してしまうフラットスポットができてしまうこともある。バッテリーも自然放電してしまうことで寿命は大幅に短くなってしまう。足回りなど駆動部にはサビが発生しやすくなる。
 さらに青空駐車であれば塗装やゴムの劣化も早めてしまうなど、クルマにとってはいっそう過酷な環境となる。
 定期的にクルマを動かし、保管時にはカバーをかけたり、直射日光の当たらない場所に駐車することが車両のコンディションを良好な状態に保つうえで必須と言える。

クルマを長持ちさせるためプラスαの心掛けとして「やってはいけないこと」

愛車が泣いている!! 知らないうちにクルマにダメージを与えるNG行動
車高の高いSUVなどは比較的冠水に強いが、それでもマフラーなどからエンジンに水が入ると圧縮できずにウォーターハンマー現象を起こしてエンジンが壊れてしまうこともある

■アイドリング状態で電装品を多用する
 アイドリング程度のエンジンが低回転の状態でもバッテリーへの充電は行われているものの、基本的にクルマは走行することで充電されるようになっている。長時間のアイドリングは、エアコンやライトなどの電装品を使用すると電気の消費量が発電量を超えてしまいバッテリーを弱らせてしまう可能性があるので注意しよう。

■昼間はほとんど走行せず、夜間に走行することが多い
 夜間走行ではヘッドライトの点灯、エアコンなど電装品の使用が昼間に比べて多く、電気使用量が多くなる傾向にある。当然バッテリーへの負担も大きく、電気消費量が発電量を超えてしまえばバッテリーの寿命を縮めてしまうので、避ける必要はないが「最近、夜しか走っていないな……」と思ったら昼間にもドライブしたりとバランスを意識してみよう。

■冠水路を走行する
 台風やゲリラ豪雨で冠水した道路を走っているクルマをよく見かけるが、これはクルマに大ダメージを与える。そもそも、クルマは浸水を防ぐような構造にはなっていないのだ。そのため、それほど深い冠水路ではなくても巻き上げられた水が吸気口やマフラーから浸入すると、正しい吸排気が行われずに燃焼が安定しないためエンストしてしまったり、電装系の故障を引き起こす危険がある。下水が混じった冠水の場合はシートやカーペットで雑菌が繁殖、異臭を放ったり、海水の場合は含まれる塩分によって金属部分が急速に腐食してしまうなどの悪影響を与える。
 また、水の抵抗によってラジエターのフィンやバンパーなどが破損することもあり得る。

HV、EV、PHEVで特に注意すべきこと

■車内のバッテリー冷却吸気口を荷物などで塞ぐ
 大容量バッテリーを積んでいるHVやPHEV、EVの場合、車内にバッテリーを冷却するための吸気口が設置されていることがある。荷室や後部座席の下側など目立たない場所に設置されていることが多く、荷物などで塞いでしまうとバッテリーの熱が冷却されなくなりバッテリーにダメージを与えるので、設置個所を確認して塞がないようにしよう。
 また、ゴミ、ホコリを吸い込みやすいため、フィルターの掃除をしないと最悪、バッテリーが破損してしまうこともある。そのため、バッテリー冷却吸気口フィルターの定期的な掃除を怠らず、汚れがひどい場合は迷わず交換を!

■急速充電、頻繁に充電する
 急速充電や必要以上の頻繁な充電は徐々にバッテリーの寿命を縮めてしまう。そのため、余裕のある時は急速充電を控え、普通充電を使用することでバッテリーの性能を長持ちさせることができる。
 また、通常の鉛バッテリーでもそうだが、充電残量がゼロの状態での放置は急速にバッテリーの寿命を縮めるので厳禁。例えば、日産HP上で確認できる最新のリーフの取扱説明書には、3カ月に1回程度は満充電をするように書かれている。ただし、満充電のままで長期間クルマを動かさないのもバッテリーの寿命を縮める原因となる。
 一般的には、100%や0%の状態にすることを避け、30~80%程度の充電量を維持しておくことがバッテリーに優しいと言われている。

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