かつて柔道でメダリストになり、現在は後進の育成にも携わる格闘家の小川直也氏。屈強な体躯は存在感バリバリで緊張するのだが、実はこう見えて超がつくクルマ好き。GT-Rを何台も持つほどだ。
そんな小川さん、実はレスラー時代にセンチュリーに乗っていたという。それなら、という編集長の思い付きで新型センチュリーに試乗してもらいました。
小川直也はどう見るのか!? しかも今回は学生時代の初めての愛車がクラウンだったというだけで、新型クラウンも登場。因縁の対決はいったいどうなる!?
文:小川直也/写真:平野学
ベストカー2018年11月26日号
■体格重視でセンチュリーを愛車にした!?
実はクラウンとセンチュリーは俺にとって思い出の2台。クラウンは明治大学の頃、初めての愛車として手に入れた。
今はなくなったけど、2ドアハードトップ。6代目のクラウンでクォーターピラーにオペラウインドゥが付いているやつ。ちなみに2ドアハードトップはこの6代目が最後になった。
何で目立つクルマを? と思われるかもしれないが、でかくて乗れるクルマが限られるのがひとつ。
もうひとつは、当時やんちゃなクルマ好きは高校卒業すると、クラウンかセドリックの中古車をこぞって買い求めたが、俺もクラウンはいいなと思った。
ただ、どうせクラウンに乗るにしても2ドアハードトップかなという意識はあった。クラウン2ドアハードトップはソアラに地位を奪われていくけど、当時100㎏を超えていた俺の体重が乗っかってもふわふわの乗り心地は失われず、これが高級車の乗り心地かと思ったよ。
センチュリーのほうはレスラーになってから手に入れた。12気筒じゃなくて初代のV8のほう。
ボディカラーが白だったからこっちもよく目立った。だいたいセンチュリーは公用車がほとんどだから、黒か紺がスタンダードで、白はその筋の人や変わった芸能人くらいしか乗らないよ。
じゃなんで俺は選んだかといえば、やっぱりフツーの国産セダンだと頭がつかえてしまうのと、飛ばしたいほうだからV8にこだわったわけ。
ベンツがあるじゃんと言われるけど、周りのレスラーはみんなベンツだし、俺もベンツには乗ったけど白のセンチュリーを車高落として乗るとカッコイイと思ったんだ。
ところが友達に貸したら雨の日に側溝に落ちてオシャカになったよ。あれほど「飛ばすな!」と言ったのに正直ショックだった。
足がなくなりチャリになったんだから。そんな思い出話をすると編集長が「因縁の2台でいきましょう」という。拡大解釈だ。
■20年ぶりのセンチュリーと毛ばたきに昂る
1997年以来のセンチュリーだ。いややっと再会できた。グリルがいいな。やっぱり鳳凰だよ。おっとトランクには毛ばたきとセーム革、吸水クロスが入っているぞ。
昔は毛ばたき使ったよな。よく彼女とのドライブでくすぐったりしなかった?
7層塗装のうえに漆塗りに使われる水研ぎを3度施したという鏡面仕上げは、20m離れても俺の姿がしっかりと映り込むほど。これならセーム革での磨き甲斐があるよ。
前置きが長い!? じゃエンジンかけます。かかった? これは初代セルシオ以来の衝撃だよ。俺の息づかいが自分に伝わってくるもの! 踏んでみよう。ブオ〜ン。
しっかりV8しているね。リダクションギアが効いてけっこうスポーティ。でも上品さを失わない。このあたりがV8ハイブリッドの魅力なんだろう。
ブレーキも初期こそ甘い気がするが、これも後席のVIPを驚かせない仕掛けかもしれない。モリゾウさんがセンチュリーのGRMNを乗っているけれど、気持ちはわかる。
GRMN仕様にすれば静かで速くてベンツのS63AMGよりも存在感あるわ。でも何でCDが付いてるんだろう?
やっぱりVIPはCDじゃなきゃダメなのかもしれない。音はめちゃめちゃいいけど。
後席はオットマンもリアシートエンターテインメントシステムもアナログの時計にも大満足。
ただし残念なのは神威(ブラック)、摩周(濃いブルー)、飛鳥(高貴なエンジ)、精華(シルバーメタリック)と4色あるけれど白がないこと。
うーん残念! 白兎じゃだめか、白紗みたいな名前で白を発売してくれたら1960万円いっちゃうか!? 現役時代ならいっちゃったかも!?
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