東京オートサロンで公開され、発売間近となっている進化版GRヤリスはエクステリアを一見したところでは一般なマイナーチェンジレベルの変更だが、インテリアをはじめとした機能面の改良はマイナーチェンジとは言えないほど多岐に渡る。ここでは初期型GRヤリスオーナーの筆者が嫉妬するほどに感じる進化版GRヤリスに盛り込まれた変更や装備をピックアップしてみた。
文:永田恵一╱写真:ベストカー編集部、トヨタ
■もう人間超えちゃいました!? 8速ATはプロを超えてるスピード感
まず、大前提としてGRヤリスはマイナーチェンジ前のモデルとして軽いスポーツ走行をする程度の筆者は大満足しており、多くのユーザーにとって素晴らしいクルマと断言できる。しかし、進化版GRヤリスを見てしまうとうらやましいのは事実で、一番うらやましいのが進化版GRヤリスの目玉となるGR-DATと呼ばれる8速ATだ。
スーパー耐久や全日本ラリーといったモータースポーツを通じて開発されたGR-DATは、まずMTが6速なのに対し、8速のクロスレシオということにより走行シーンに応じた適切なギアを選ぶことが可能となっている。さらにATのハード面ではDCT並みの変速スピードを実現しているのに加え、ソフトウェアも、サーキットのようなスポーツ走行にもDレンジのまま対応できるものになっているという。
つまり、MTが速さで、シフトミスもないGR-DATに勝つというのはプロドライバーでも絶望的ということである。そのため進化版GRヤリスを買うなら、趣味性の高いスポーツモデルに対し矛盾するようだが、「クラッチによるワザを使いたい」、「どうしてもMTが欲しい」というこだわりがない限りGR-DATを選ぶべきだろう。
またGRヤリスを主に4WDということもあり全天候型のGTカーとして使っている筆者個人も、もう1台MTの現行BRZがあるのと、40代中盤になりさすがにMT2台は「ちょっと」と思いつつあることもあり、楽で速いGR-DATのGRヤリスには強い魅力を感じている。
■着座位置とダッシュボードも下がってメーターも液晶化って本当にマイチェンなの!?
2番目にうらやましいのが着座位置が25mm下げられたことだ。というのもマイナーチェンジ前のGRヤリスはスポーツモデルとしてはなぜか着座位置が高すぎ、筆者はスポーツモデルらしい雰囲気を損なっていることが最大の不満だった。
それが着座位置だけでなくダッシュボードの高さも下げられ(しかもマイナーチェンジでだ!)、スポーツモデルらしい高揚感も高まっている点には嫉妬してしまう。
3番目にうらやましいのがメーターだ。マイナーチェンジのGRヤリスのメーターはヤリスの廉価グレードのアナログメーターを基本しており、それはそれでスパルタンな雰囲気で悪くなかった。
しかし、問題はブーストや油温といった各種の情報表示が非常に小さく、走行中チラッと見る際にほとんど見えなかった(笑)。
それが進化版GRヤリスではGRカローラ同様の液晶メーターとなり、視認性が劇的に向上しただけでなく、表示される情報が増えた上に温度は数字で表示されるようになり、追加メーターを加える必要がなくなったのは本当にうらやましい。
■フロントバンパーの分割形状化にオーバー300PSってもう走るしかない!!
4番目は一体型から分割形状となったフロントバンパーだ。これは損傷が当たり前のラリーの現場からのフィードバックで、修復の際の作業性の向上と費用が抑えられた。筆者はクローズドされた雪道でスポーツ走行をした際にバンパーを壊し、結構なお金が掛かっただけに「最初からやってほしかった」と感じている。
最後はGRカローラのモリゾウエディション同様に272馬力&37.7kgmから304馬力&40.8㎏と10%以上強力になったエンジンだ。GRヤリスはマイナーチェンジ前でも十二分な動力性能だったが、特に中間トルクが太くなっていることはスポーツ走行の際もシフトダウンの必要性が減るなど、より楽に速く走れるに違いない。
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