■NASAが計測した中立姿勢から着想を得た日産の「ゼログラビティシート」
2013年12月にフルモデルチェンジを行った3代目エクストレイルに初めて採用されたゼログラビティシート。
当時はスパイナルサポート機能付きシートとも呼ばれていたゼログラビティシートはNASAから着想を得たシートであり、その名のとおり“無重力空間をヒントに設計したロングドライブでも疲れないシート”のこと。
NASAが計測した中立姿勢(人間が無重力状態で脱力した姿勢)こそが身体への負担がもっとも少なく、長時間でも姿勢が崩れにくく、疲れにくいということから、この無重力状態で脱力した姿勢をクルマのシートにも適用。
具体的には腰から背中にかけて連続支持する中折れ(逆くの字)形状によって中立姿勢を再現したものであり、慶應義塾大学、山崎研究室との共同研究によって独自のシートシミュレーターと人体筋骨格モデルを用いて筋肉と背骨の負荷が最小となる着座面形状と各部位の支持力を把握するなど、徹底的な解析も実施されている。
そんな解析をもとに、ゼログラビティシートではシートバックの初期形状と部分たわみ特性をコントロールすることで最適な支持状態を実現している。
また、シートの構造を従来モデルから抜本的に変更することで、重量のある胸郭と骨盤を積極的に支えて背骨や筋肉への負荷・負担を軽減するとともに血行も改善。
その結果、長時間ドライブ時の着座による疲労感が軽減されて快適なロングドライブが可能になったというわけだ。
そんなゼログラビティシートなだけに採用されている車両も軽自動車をはじめ、ミニバン、SUV、高級セダンに商用車に至るまで多岐にわたる。
【画像ギャラリー】クルマはなんだかんだ言って座り心地が大切です(11枚)画像ギャラリー■脊柱がS字カーブを描くように骨盤がしっかり立った状態を維持するマツダのシート
コンパクトカーの概念を打ち破ることを志すマツダブランドへの入口を担うMAZDA2。
あらゆるシーンでユーザーが感じる“質感”に徹底してこだわったMAZDA2なだけに、静かで上質な空間に包まれる居心地の良さやいつまでもそこにいたいと感じる心地良さなども特筆すべきポイントだが、そんな快適な居住空間を実現するため、シートにもさまざまな工夫が凝らされている。
人間が歩行する際(骨盤が立った状態)に無意識でバランスを保持する力を発揮して、頭部がより安定する状態をつくり出すことに着目したマツダ。
この次世代技術コンセプトともいえる考え方を取り込み、マツダでは理想的な着座姿勢と考える“脊柱がS字カーブを描くように骨盤がしっかり立った状態”を維持できるシートを開発し、2019年5月に発売したMAZDA3に続いて2019年9月に発売したMAZDA2にも導入した。
MAZDA2のシートで最大の特徴となるのは、カーブやレーンチェンジなどで目線がぶれることなく、クルマとの一体感が高まり、運転のしやすさが実感できること。
これが実現できたのはシートの内部構造を新たに設計し直し、よりきめ細かいチューニングが各部で行われているから。
例えば、バネ定数の変更を筆頭に、身体のロールが起きにくくなるようトーションバネの追加、サポート材の追加、高減衰ウレタンの採用などによって骨盤がしっかりと立ち、その状態が維持できる構造を実現。
これらにより快適なシート性能はもちろん、上質な座り心地も手に入れたのだ。
また、一部グレードにはお好みのドライビングポジションを記憶させることができる運転席6Wayパワーシート&ドライビングポジションメモリー機能も搭載されており、まさに至れり尽くせり!
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