「規制速度」は見直し必至も「渋滞」は近年鎮静化
2位の規制速度の見直しは、日本の最高速度規制が低すぎるという不満から発している。
近年、新東名などごく一部の路線で、ようやく制限速度が120km/hに引き上げられたが、この流れは拡大していくべきだろう。120km/hというのは、諸外国を見ても、おおむね最低限の水準だ。
3位の渋滞緩和も、当然の要望だ。高速道路を利用する際の3大ストレスは、「料金」「取り締まり」そして「渋滞」なのである。
高速道路会社側も、拡幅や付加車線の設置などさまざまな対策を実施しており、渋滞は徐々に緩和されている。年末年始などの交通集中期、渋滞の長さだけを見ると、相変わらずという印象だが、対策によって渋滞内の平均速度はかなり上がってきている。
実際に渋滞にはまってみると、「意外と大したことなかった」と感じるケースは少なくないはずで、その分、渋滞に対する不満は、徐々に沈静化していると見ることもできる。
4位のSAPAなど快適性の拡充に関する要望は、かなり少なかった。現状、日本のSAPAは世界一充実しているし、これに関してはユーザーも、ほぼ満足していると見ることができるだろう。
メディア等が喧伝している、EVの充電設備の充実や、自動運転化を進めるための設備に関する要望は、今回のアンケートではリプライがなかった。
話題の自動運転に関して道路側がやれることは意外と少ない?
高速道路サイドからすると、「自動運転への対応」が、最も変革を迫られている部分という認識だと想像するが、実際には、日本だけでなく諸外国でも、高速道路側で何かしら対応しようという大きな動きはない。
日本では、25年前から国交省が「ITS(高度道路交通システム)」と総称し、さまざまな施策を打ち出してきた。
道路側に情報発信装置を設置して、路車間通信を行うことで、安全で効率的な輸送や自動運転を支援しようという考えを、現在も捨てていない。
しかし、現状を見ると、渋滞回避や安全運転支援については、ETC2.0を通じた情報などほとんど役に立たず、Googleマップの指示の方がケタはずれに高度だ。
自動運転技術も、カメラやレーダーによる認知力の向上や、詳細な地図データとの連動などによって進んでいる。今さら路面に何か埋め込んだところで、すぐに時代遅れになり、投資が無駄になる可能性が高い。
例えば、現在もSA/PAには「ITSスポット」なる駐車枠が設けられ、そこに止めると、ETC2.0+対応ナビを通じて、さまざまな情報が得られるとされているが、スマホの普及によって、すでに3周回遅れくらいの技術になった。利用者はほぼ皆無だ。
自動運転に関して高速道路サイドが行えることは、今のところ、「カメラが認識しやすいように、白線をしっかり引いておいてください」といった程度ではないだろうか。
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