■購入時の参考になるタイヤのラベリング制度について
サイドウォールの情報だけではどんなタイヤなのか情報が不足している。そこで、タイヤのラベリング制度というタイヤの性能を表すラベルがあるので、こちらも解説します。
タイヤに給油マークが付いているほうが転がり抵抗係数で、AAAからC、C以下で評価され、優秀なほど燃費向上に寄与します。タイヤに傘マークが付いているほうがウェットグリップ性能を指し、aからd、d以下で評価されウェット路面に対する強さを表わします。転がり抵抗係数A以上、ウェットグリップ性能d以上のタイヤは低燃費タイヤと定義され低燃費タイヤマークが付きます。
転がり抵抗係数はAAAが最も性能が高く、ウェットグリップ性能はaが最も性能が高いことを表わしているので覚えておこう。
■タイヤに関する素朴なギモンを、現役開発ドライバーの令和マンにぶつけてみた
Q グルーブ(溝)形状で何が変わる?
A シンプルに言うと、排水性が変わります。基本的には排水のために溝があります。グルーブがあるデメリットとして「音、パターンノイズが悪くなる(シャーシャーヒューヒュー鳴る)」「ハンドリングが悪くなる(柔らかくなる)」。メリットとして「乗り心地がよくなる(表面が柔らかくなるから)」「ロードノイズがよくなる(ゴロゴロ、ゴーゴーという音)」。
ちなみに、縦の溝が排水性、横の溝が泥や土での走破性に関係します。未舗装路や泥・雪などの性能を考えたら溝は大きくて深いほうがいいですが、舗装路だと溝は少ないほうがいいので、タイヤの使用用途によって最適なバランスをとって開発されます。
Q トレッドパターンはどうやって決める?
A 未舗装路を走るタイヤなら横方向の溝を増やし、雪や氷なら凄く細いサイプも増やします。舗装路での排水性なら縦溝を増やします。溝を増やしすぎるとネガが増えるため、ポイントをとります。ロードノイズがうるさければ溝を多めにして表面を柔らかくし、スポーティなタイヤにしたいなら溝を減らすことでトレッド剛性が上がり、ハンドリングがよくなります。
開発はシミュレーションソフトで性能予測ができるのですが、最後の微調整は実際に形にしてクルマに履かせて走り、手彫りして走りを繰り返してテストしています。溝の深さは、タイヤサイズを問わず大体7〜10mmくらいです。
Q 窒素注入のメリットは?
A 空気圧が抜けづらいです。ほかにも都市伝説がありますが、理論的にはこれだけ。個人的には窒素注入はおすすめしません。空気が抜けづらいからといって空気圧調整をしない人が多いから。
レースだとメリットが大きくて、レース用タイヤは「空気が抜けないようにするためのゴム」すら省いて軽量化するので、窒素のメリットが生きます。
Q パンク修理剤を使ったタイヤはずっと使っていい?
A ドライブ先でパンクしちゃったので、そのドライブや旅行の間だけ仮にそのまま走るなら充分いいのですが、経時劣化が大きいので、なるべく早く新品のタイヤに替えてください。
Q オールシーズンタイヤってサマータイヤやスタッドレスタイヤとどう違う?
A オールシーズンタイヤは夏タイヤと冬タイヤの性能をそれぞれ80%くらいの高バランスで性能両立させたタイヤです。オールシーズンタイヤにも夏寄りと冬寄りの性能のものがあります。見分けるには、トレッドパターンを見るとよくて、凄く細かい切れ込み(サイプ)が多いか否かです。
グッドイヤー ベクターフォーシーズンズは中庸、ミシュラン クロスクリメイトは夏寄り、ファルケン ユーロウィンターは冬寄り。ぜひトレッドパターンを見比べてみてください。
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