ホンダ ビート(1991年発売)
ホンダ ビートは、ミドシップエンジンで後輪駆動、フルオープンモノコックボディを採用し、軽自動車初の4輪ディスクブレーキを装備するなど、本格的なオープンスポーツとして人気でした。
エンジンは、3連スロットルと2つの燃料噴射制御マップ切替方式を組み合わせたハイレスポンス・エンジンコントロールシステムMTRECで、NAエンジン搭載ながら、メーカー自主規制枠いっぱいの64psを発生しました。
また、車重は760kgと軽量で、パワーウェイトレシオは11.88kg/ps。ミッションは5速MTのみ、パワーステアリングは装備されないという、なんともストイックなクルマでした。
こうした点がかえってビートの魅力としてヒットしたのです。
旧・軽自動車規格による狭い運転席に苦労して乗り込むと、まず驚くのが、そのドライビングポジションの低さです。
そして、後ろから派手に聞こえてくるエンジンサウンドは、ドライバーの気分を盛り上げ、アクセルを踏み込むと8,500rpmのレッドゾーンまで気持ちよく回るエンジン。
こうした魅力から、発売後30年近くが経過した今でも根強いファンが多くいるクルマです。
ちなみにビートの後継モデルとも言えるS660はターボエンジン。NAエンジンであるビートは貴重な存在だったのです。
ホンダ トゥデイ(2代目)Xi/RS(1993年発売)
1993年にフルモデルチェンジで2代目となったホンダ トゥデイ、このモデルからスポーツグレードが追加されました。前期型はXi、後期型はRSでした。
このモデルには、ビートのMTRECエンジンを58psにデチューンしたユニットが搭載され、3本スポークステアリングとタコメーターが装備されました。
車重はビートより80kgも軽い680kg。パワーウェイトレシオは11.72kg/psと、ビートを上回る数字を出し、その軽快さは多くの軽スポーツファンを魅了しました。
ターボモデルの軽スポーツカーに比べると、加速での鋭さは控えめなものの、8,000rpmまで回るエンジンを使い切る楽しさがあり、軽自動車の草レースではいまだに現役で活躍しています。
まとめ
ターボエンジン搭載のスポーツカーに比べると、絶対的に速いとは言えないのは事実です。
しかし、NAエンジンの軽快なレスポンスと軽自動車の軽さを存分に楽しむという点では、NAエンジンの軽自動車は、他のモデルにはない面白さがあります。
そして、ターボ車に比べると圧倒的に燃費が良かったというのも特筆すべき点です。
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