■エンジンはしっかり温めなくても大丈夫「暖気運転」
クルマ好きのドライバーには2種類いる。暖気運転する人としない人だ。
筆者は断然、後者。エンジンをかけたら、アイドリングが安定するまでじっと待つ、なんて余裕はない。エンジンをかけたら“秒”で目的地へ出発。これに眉をひそめる方もいるかもしれない。
暖気運転はそもそもエンジン始動直後、潤滑油であるエンジンオイルが温まることでエンジン各部に行き渡り、発電機であるオルタネーターや付随する補器類が安定して作動するのを待ってから走行することで、エンジンへの負担を低減し、本来の性能を発揮するためのものだ。
だが、コンピュータにより電子制御されたインジェクションを搭載する現代のクルマは冷間時でもすぐに適切な空燃比の制御が可能なうえ、エンジンオイルの性能も進化し、補器類なども以前に比べて電子制御で細かく管理されている。
つまり、以前のような暖気運転は不要なのだ。一部自動車メーカーも暖気運転は不要と公式でアナウンスしているほどなのだ。
【画像ギャラリー】Z世代には理解不能な運転法も…(8枚)画像ギャラリー■環境汚染に貢献するだけ「ターボタイマー」
暖気運転と同様に思い起こされるものに「ターボタイマー」がある。
筆者も前述した初マイカーであるファミリアにアフターパーツであるターボタイマーを装着していた。当時、ターボ車では必須とされていたためだ。
若い世代はその存在すら知らない人も多いかもしれないが、ターボタイマーとは、高速走行などでターボ車のタービンに高負荷がかかった際、すぐにエンジンを停止すると、タービンの熱が放熱できず焼き付いてしまう。それを防ぐため、キーを抜いてもタイマーで一定時間エンジンを動かしてタービンを冷却する装置だ。
キーを抜いてもアイドリングを続ける愛車がすこぶる格好良く感じたものだが、ターボのブースト圧を上げているチューニングカーならいざ知らず、ノーマル車両の普段使いでタービンを焼き付かせるほどの猛者は少なかった。
さらにいえば、暖機運転しかり、不要なアイドリングは環境面からもお薦めできる行為ではない。
【画像ギャラリー】Z世代には理解不能な運転法も…(8枚)画像ギャラリー■AT車にとっては迷惑運転でしかない!? 「エンジンブレーキ」
先日、SNSの投稿を見て驚愕した。「前走車がブレーキランプを踏まずに減速する迷惑運転をしていたので通報した」という内容だ。
たしかに、AT車のドライバーにとってはブレーキを踏まずに減速されることは恐怖なのかもしれないが……。
マニュアル車の場合、アクセルをあおるブリッピングでギアとエンジン回転数を合わせながらシフトダウンし、エンジンブレーキを併用して停車するというドライバーも多い。
極端な場合、停止寸前までブレーキペダルを踏まずに減速することができ、それがマニュアル車の醍醐味であると考えている人も多いはずだ。
ただし、エンジンブレーキはブレーキランプが点灯しないため、後続車には減速していることが気づかれにくい、このため追突事故の要因にもなりえる危険な運転だ、というわけである。
ということで、AT車が普及した現代に、MT車のシフトダウンによる信号停止は見直すべきマナーなのかもしれない。
ただ前述の「エンブレだけで止まる前走車マジ迷惑」というAT車ドライバーも、前走車のブレーキランプのみをあてにせず、十分な車間距離を空けて運転すれば、通報に値する危険な運転とはならないこともたしか。
かたくなに信号でブレーキを踏まないマニュアル車のドライバーも周りのドライバーへの気遣いがあれば、後続車への注意喚起のためにフットブレーキを併用する心遣いがあってしかるべきなのかもしれない。
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