MT、塗装、ステアリング、エンジン、GT-R…… もの作り王国日本・日本車のこだわり15選(2013年版)【10年前の再録記事プレイバック】

■GT-Rのセッティングは市販車の領域を超越!

 クルマの左右の重量バランス(特にフロント)は、1人乗車だとドライバーが乗る位置が左右のどちらかになることや、構造的な問題などもあり、左右で差があることがほとんどだ。

 それは各部の精度が桁違いに高いGT-Rでも例外ではなく、「それならば」ということで、GT-Rは2012年モデルから左右非対称のサスペンションセッティングを採用している。

 具体的には左フロントのスプリングを右フロントよりハードにするなどの手が施され、走行中のコーナーウエイトを均等化している。

 体感するのはなかなか難しいといわれているが、ここまでこだわった水野さんにはアッパレだ。

●こだわり度=180

■GT-Rの押しやすさは台車並み?

写真は初期モデルである2007モデルを水野元開発責任者が自ら押している姿。クルマが温まっていないと少し重いようだ
写真は初期モデルである2007モデルを水野元開発責任者が自ら押している姿。クルマが温まっていないと少し重いようだ

 車重が1.7トン以上あるうえに、リアタイヤは285幅という極太なのにも関わらず、GT-Rの転がり抵抗はクルマが温まっていれば、片手で押せるほど小さい。

 要因はタイヤの縦方向の接地面積が非常に小さいためだという。転がり抵抗の少なさは公表されるJC08モード燃費を含めた、GT-Rの意外な燃費のよさに直結している。

●こだわり度=150

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■手触り抜群のアルカンターラステアリング

上部のセンターにはハンドルの位置やカウンター量を把握するのに便利なマーキングも施される
上部のセンターにはハンドルの位置やカウンター量を把握するのに便利なマーキングも施される

 競技車両によく使われる、表面がバックスキンやスエードで巻かれたステアリングはカッコいいし、滑りにくいため憧れる人も多い。

 しかし、使い込んでいくうちに劣化が目立ち、最後はツルツルになってしまうという弱点もあり、市販車に使うことは非常に難しかった。

 しかし、ジュークニスモのステアリングは革とアルカンターラのコンビを採用。これはこだわり以外の何物でもないだろう。市販車に使っているだけに、耐久性は保証つきなのだ!!

●こだわり度=140

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■MTの回転合わせはもう過去のドラテク?

シンクロレブコントロールは、疲労を少なくしたいモータースポーツベース車への搭載も期待したい
シンクロレブコントロールは、疲労を少なくしたいモータースポーツベース車への搭載も期待したい

 AT全盛の現在、ヒール&トゥーを含めたMTのシフトダウン時の回転合わせは高度な運転技術となりつつある。

 「MT車に乗る敷居を低くしてあげたい」と考えた日産は回転合わせを自動でやってくれるシンクロレブコントロールを開発。

 システム自体は意外に簡単で、大雑把に言えばシフトダウンされるギアとスピードに合わせて適切な回転数に電子スロットルで空吹かしをするだけ。

「シフトダウンの楽しさがなくなる」という意見もあるが、オフスイッチもあるし、シフトダウン練習マシンとしての意義も大きい。

 わざとイジワルなシフト操作をしてみたのだが、それでも迷うことなくちゃんとシフトダウンに合わせて回転を合わせてくれるカシコイヤツなのだ。

●こだわり度=140

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■後方視界の確保に大きく貢献!

このタイプのルームミラーは機能性に加え、見た目も美しい。機能美とはこのことだ!
このタイプのルームミラーは機能性に加え、見た目も美しい。機能美とはこのことだ!

 リアスポイラーが付くことが多いうえにリアウィンドウの面積が小さいスポーツカーは、後方視界が悪くなりがちだ。このことは安全面や、怪しいクルマの認識といった面からも好ましくない。

 そこで86&BRZの上級グレードは後方視界を少しでも広くするために、黒い縁をなくしミラー部分全体がミラーの役割をするルームミラーを採用。

 位置を調整する時にミラー面へ指紋が付きやすいというデメリットはあるが、「無意味な気遣いを少しでも減らして、スポーツカーを広めたい」という心意気には拍手を送りたい。なお、このタイプのルームミラーはボルボV40も採用している。

●こだわり度=120

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