■AE86レビン&トレノ(1983~1987)ってどんなクルマだった?
5代目カローラ&スプリンター(E80系)のスポーティモデルとしてラインナップされた「カローラレビン」、「スプリンタートレノ」。
この先代型となるTE71型までは、レビン&トレノはDOHCエンジンを搭載するモデルのみの設定だったが、この代からは1.5L・SOHCエンジン搭載モデルも設定され、カローラ&スプリンターの派生モデルとしての独立性を強めたのが特徴的だった。
80系カローラ&スプリンターはセダンを中心にシリーズ全体がFF化されたなかで、レビン&トレノのみFRで残されたことで、特にクルマ好きの間では注目度が高まった。
さらに、先代までは旧世代のDOHCエンジン「2T-G」型が搭載されていたのだが、このAE86型では新開発された新世代型の4バルブDOHCエンジン「4A-G」型が搭載されたことが大きなトピックとなった。
なにしろこの時代、DOHCというだけでも希少な存在だったのに、各気筒4バルブ化されたDOHCエンジンが量産車に搭載されることなど、レーシングエンジンが搭載されるような異次元の話だったのだ。
AE86レビン&トレノのデビューを伝える『ベストカーガイド』1983年7月号では大々的にページを割いて大特集を展開。4A-Gエンジンがどれほどのハイパフォーマンスエンジンなのかを徹底的にメカ解説するなど、当時の熱い熱い大歓迎ぶりが誌面からも伝わってくる。
さらにメーカー主催の試乗会まで待っていられないと、販売会社を説き伏せて納車前のナンバーなし車両を借り出してクローズドコースでいち早く試乗レポートをしてしまうほどの入れ込みようだった。
取材を担当した鈴木直也氏が試乗から戻ると、締め切り間際で編集部に缶詰めになっていた編集部員が目をキラキラさせ「どうだった? どうだった?」と質問攻めにするなど、デビュー当時からレビン&トレノに対する注目度はもの凄く高かったことがよくわかるエピソードだ。
41年経っても、その魅力が色褪せるどころか、新たな魅力を放っているハチロクは、稀代の名車だ。
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