周囲の環境音を拾いながら、自分だけに聞こえる音楽や通話を楽しむことができる片耳イヤホン。片耳だけのため、長時間使用しても疲れにくく、家事や仕事などの作業をしながら使っている人は少なくないのはないでしょうか。
ただ、運転中に使用することは控えるべき。自治体によっては、明確に禁止されている行為です。
文:yuko/アイキャッチ画像:Adobe Stock_sarawutnirothon/写真:Adobe Stock、写真AC
【画像ギャラリー】周囲の音を遮らない片耳イヤホン それでも運転中に使用することは違反となる可能性があります!!(6枚)画像ギャラリー運転中のイヤホン使用は危険
いまや日常生活に欠かせなくなったイヤホン。電車やバス、徒歩など、移動中に音楽などを楽しむため、ハンズフリーイヤホンが手放せないという人は少なくないでしょう。
しかしながら、同じ移動中でもクルマや自転車を運転しているときにイヤホンを装着することは、周囲の音を遮ってしまうため、非常に危険。視界に入りづらい真横や後方を走るクルマやバイクの存在がわかりづらくなるほか、緊急走行中の緊急車両が自車に接近していることに気づくのが遅れたり、音が聞こえないことで、自車の故障に気づくのが遅れてしまう可能性もあります。
「見えていれば大丈夫でしょ」と考える人も少なくないと思いますが、音が教えてくれる情報は意外と多いのです。
危険であるだけでなく、道路交通法に違反する行為となる可能性もあります。運転中のイヤホンの使用に関しては、道路交通法において明確に禁止とする規定はないものの、イヤホンをしていたことが原因で事故を起こしてしまった場合は、道路交通法第70条の「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」という規定に違反する行為とされる可能性があります(安全運転義務違反)。
「他人に危害を及ぼさない(速度と)方法で運転をしなければならない」のですから、イヤホンをしていたことで周囲の音が聞こえず、それが原因で事故となってしまったとされれば、安全運転の義務に違反したことになってしまうのです。

都道府県によっては、明確に禁止されている場合も
「では、片耳だけだったら、周囲の音を遮らないし、いいのでは」と考えるかもしれませんが、片耳だけなら問題ない、ということはありません。運転中のイヤホンに関しては、都道府県によっては、道路交通法施行細則によって、明確に禁止している場合があるのです。
たとえば、神奈川県の道路交通法施行細則第11条(運転者の遵守事項)の4には「大音量で、又はイヤホン若しくはヘッドホンを使用して音楽等を聴く等安全な運転に必要な音又は声が聞こえない状態で自動車、原動機付自転車又は自転車を運転しないこと。」とされています。
この条文では「イヤホンをして運転をしないこと」と規定されているだけで、「片耳だけならOK」とする文言はありません。「~を使用して音楽を聴く等、安全な運転に必要な音又は声が聞こえない状態で」とされているため、音が聞こえていればいいのでは、と捉えてしまうかもしれませんが、「音が聞こえていればいい」とされてはいないため、片耳だけのイヤホンであったとしても、この道路交通法施行細則には違反する行為とされてしまう可能性があるのです。
コメント
コメントの使い方