ニッポンのGTは世界で通用していたのか!!? 「世界一」に挑んだ日本のGTカーたち 10番勝負!│前編【ベストカーアーカイブス2014】

■勝負5:4WDスポーツGTを日本車にも確立! ギャランVR-4 vs アウディクワトロ(1987年)

ギャラン
ギャラン
アウディクワトロ
アウディクワトロ

 1980年登場のアウディクワトロと1987年登場の6代目ギャランVR-4。年代のズレがけっこうあるため直接の比較はやや厳しいと思う。しかし、インパクトという点では文句なしにクワトロだったな。

 何しろ世界初のフルタイム4WDで、それも200psを発生する2.1Lターボを搭載した本格的GTだった。こいつを日本で試乗した時、圧倒的なスタビリティとターボパワーに驚いたもの。

 それだけではない。1981年にWRCにデビューするのだが、緒戦のモンテカルロで圧倒的な速さ(6本のSSで2位を6分以上も引き離してしまった。が、結果はリタイヤ)をみせるや、以後のWRCを席巻。フルタイム4WDが2WDに優ることをアピールしたのだ。

 その後、ランチア、フォード、日本勢ではファミリアやセリカ、レガシィ、ギャランなどがフルタイムのスポーツ4WDをデビューさせた。

 ラリーでみせたクワトロのウィークポイントは縦置き5気筒エンジンによるフロント重量の大きさでアンダーステアが強かったこと。当時のラリーシーンでは大きなフェイントをかけてコーナーへ進入していたものだ。スポーティとはどうしてもいえないハンドリングだったな。

 ラリーで世界を震撼させたクワトロに比べればVR-4のインパクトは弱かった。だが、ラリーにデビューするやその実力が第一級であることを証明した。VR-4の魅力はなんといってもトルクもりもりの2Lターボが4WD性能をフルに発揮したこと。

 ボディ、サスもガッシリしていたし、4WDの信頼性も高かった。同時期にデビューしたセリカGT-FOURやレガシィRSに比べ、4WDらしさをより強調したGTだった。

 2Lスポーツ4WDとして世界トップレベルの性能ながら価格もリーズナブルだったのも魅力。高級車のクワトロに比べればより身近な存在だったワケだ。

●挑戦の結果…アウディクワトロが100点だとしたらギャランVR-4は「90点」!!

(TEXT/竹平素信)

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