RX-7 ファミリア スープラ セリカ…… 偉大な功績を残した絶版車たち│前編【ベストカーアーカイブス2014】

■「THE SPORTS OF TOYOTA」トヨタ スープラ(1978~2002年)

A80スープラのターボは最大46kgmの分厚いトルク
A80スープラのターボは最大46kgmの分厚いトルク

 ルーツは1978年登場のセリカXX。国内ではA70型、通称70スープラが初代となる。当初搭載されていたエンジンは7M-GTEU型3Lターボで230psを発揮。240psにパワーアップした後、2.5Lツインターボで280psを発揮する1JZ-GTE型にチェンジ。

 A80型スープラ(80スープラ)は1993年に登場。スカイラインGT-R、三菱GTOといったハイパワースポーツ全盛期。80スープラはトヨタを代表するハイパワースポーツモデルだった。

 この時得たハイパワーFRのためのノウハウは、少なからず現在のトヨタのハイパワーFRモデルに生かされている。

 またリアの左右のダンパーをオイルラインでつないだダンパーシステムは、リアのトラクション性能を大幅に高める効果を持ち、FRハイパワースポーツの足回りとして高く評価できる、またこのスープラは現在もトヨタのテストドライバーの訓練用車両として活躍している。(TEXT/斎藤 聡)

●スープラの功績……トヨタのハイパワーFRのノウハウが培われた

■プレリュードを脅かしたFRデートカー 日産 シルビア(1965~1968年、1975~2002年)

S13シルビアは若者に人気を博した
S13シルビアは若者に人気を博した

 シルビアは好調と不調の波が激しいクルマだ。最もヒットしたのは「S13」の型式を持つ5代目シルビアだ。

 FRならではの痛快な走りに加え、その美しいデザインに惚れ込む人も多かった。また、180SXという兄弟車も生んだが、こちらもヒット作となっている。

 S13シルビアはリアにマルチリンクのサスペンションを採用し、4輪操舵のハイキャスも設定した。俊敏なフットワークで、運転するのが楽しい。1.8Lの4気筒DOHCとDOHCターボもパワフルだ。3連のプロジェクターヘッドランプも話題をまいた。

 だが、これに続くS14シルビアは鳴かず飛ばずに終わり、スペシャリティカーブームの幕引きを演じている。6代目シルビアの特徴は、3ナンバーのワイドボディを採用したことだ。全幅を40mm広げているが、キャビンは広くなっていないから、ただのデブになってしまった。

 だが、ワイド化したことによって利点も生まれた。操縦安定性がよくなったことがそのひとつ。エンジンに採用した可変バルブタイミングコントロール機構も今では常識のメカだ。(TEXT/片岡英明)

●シルビアの功績……S13はスペシャリティカーブームを牽引した

■“ハチロク”を生んだ手軽なFRスポーツ トヨタ レビン/トレノ(1972~2000年)

写真はAE86カローラレビン。AE86以後レビン/トレノはFFに
写真はAE86カローラレビン。AE86以後レビン/トレノはFFに

 カローラレビン、スプリンタートレノという名前で、カローラと兄弟車であるスプリンターに2T-G型DOHC(2バルブ)を搭載したのがこのシリーズの始まり。コンパクトなボディにハイパワー(当時)なエンジンを搭載したホットモデルで、トヨタのモータースポーツと切っても切れない関係にある。

 TE27の後、TE37からAE111までどのモデルもラリーやレースなどモータースポーツシーンで活躍。日本の有名レーサー、ラリーストの多くが、レビン/トレノでモータースポーツを経験し、育てられたといっても過言ではない。

なかでもAE86は伝説的なモデル。素のハチロクはドリフト中にアンダーになったりオーバーになったりかなり忙しい操縦性だった。ただモータースポーツに多く使われたことからパーツが豊富に開発され、ボディ剛性アップから操縦性の改良、クロスミッション、さらにはエンジンのパワーアップまでさまざまなパーツ、チューニングメニューが用意されていた。

 AE86当時は1.6Lを区切りにしたラリーやレースが多数あり、ライバルのシビックと熱いバトルが繰り広げられ、必然的にハチロクは脚光を浴びる存在となった。またTE71までに搭載されていた2T-GEU型の2バルブDOHCに対し、ハチロクは4A-GEU型の4バルブエンジンだった事も人気を集めた理由のひとつだろう。(TEXT/斎藤 聡)

●レビン/トレノの功績……日本のモータースポーツ文化を支えてきた

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