かつては日産と三菱が強かった台湾市場に変化が!! 元アジア本部長[豊田章男]が語るトヨタ逆転の本質

かつては日産と三菱が強かった台湾市場に変化が!! 元アジア本部長[豊田章男]が語るトヨタ逆転の本質

 台湾市場では日本車が人気だ。トヨタがレクサスと合わせると3台に1台となる33.5%のシェアを誇る。しかし、1990年代は日産、三菱が強く、トヨタはその牙城を崩せなかった。トヨタが三菱を逆転しトップになったのは2002年のこと。当時アジア本部本部長だった豊田章男会長にその秘密を伺った。

文・写真:ベストカーWeb編集部

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台湾はトヨタが強い! レクサスを合わせたシェアは33.5%

台湾でもトップの販売シェアを誇るトヨタ

 台湾の自動車のマーケットは45万8000台ほど。トヨタとレクサスを販売する和泰汽車が15万3000台を販売し、そのシェアはトヨタ27.3%、レクサス6.2%、合わせて33.5%にもなる。

 2位は三菱系の中華汽車で11.2%、3位が台湾ホンダの5.9%、1980年代から1990年代にかけて日産の黄金期を作った裕隆日産は4.3%にまでシェアを落としている。

全長は4310㎜と日本のカローラクロスよりもひと回り大きく居住性も良好。何よりRAV4似のフロントマスクを含め高い商品力を持つ
全長は4310㎜と日本のカローラクロスよりもひと回り大きく居住性も良好。何よりRAV4似のフロントマスクを含め高い商品力を持つ

 台湾では和泰(ほうたい)汽車が総代理店としてトヨタやレクサスのクルマを販売しており、トヨタと和泰汽車が出資する国瑞(こくずい)汽車がトヨタ車の多くを生産している。関税がかからないため、価格は競争力のあるものになる。

 さらに日本にはラインナップされていないRAV4似のカローラクロスやカローラクロスGRスポーツ、アルティス(カローラ)GRスポーツといった独自企画のモデルを投入し、人気となっている。

カローラクロスのGRスポーツ。カローラカップのオフィシャルカーだ
カローラクロスのGRスポーツ。カローラカップのオフィシャルカーだ

 ちなみに台湾で一番売れているクルマはカローラクロスで2024年は3万3788台売れた。

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シェア数ナンバー1を達成した背景

豊田章男会長は45歳でアジア本部長になり商品で勝負できる市場にした
豊田章男会長は45歳でアジア本部長になり商品で勝負できる市場にした

 かつてトヨタが三菱を逆転し、シェアでトップに立ったのが2002年。その頃トヨタ自動車でアジア本部の本部長を務めていたのが豊田章男会長だ。

「台湾では商品の強化にこだわりました。最新モデルのウィッシュやヴィオス(ベルタ)を発売し、台湾の事情にあった扱いやすさや新鮮さをアピールしました。ヴィオスとカローラ、カムリをちょうどBMWの3と5と7のように3兄弟として売り出したりもしました」

「ウィッシュをかっこよくしてくれと注文付けて生まれたのがワイドボディのモデルでした。ウィッシュはアジアマーケットを考えたモデルで、今でもタクシーとして街中を走っています」

「当時から和泰はマーケティングのセンスがあって、ビルや電車にラッピング広告をして注目度を高めてくれました。いろいろな工夫があり、シェアを獲れるようになっていきました」

「当時の台湾のスタッフの父母は日本語がわかる世代ですから、トヨタのメンバーが現場に来た時にコミュニケーションに苦労するということがあまりなかったことも大きかったと思います」

 45歳でアジア本部長になった豊田章男会長は、地域ごとの事情に合わせ「町いちばん」を意識しながら、商品で台湾での販売を伸ばしてきたことがうかがえる。

2年間トヨタ自動車で学んだ蘇純興氏が和泰汽車を率いる
2年間トヨタ自動車で学んだ蘇純興氏が和泰汽車を率いる

 そして和泰汽車の社長、蘇純興(ジャスティン・スー)さんは2年間日本のトヨタで経営手法を学んでいる。TPSやムダの排除、社員教育や福利厚生のあり方などトヨタで学んだことは多い。

 彼は1997年にレクサスブランドを台湾に持ち込む決断をした。レクサスブランドで販売した国としてはアメリカに次ぐ2番目であった。 

NX200は台湾専用モデルで173psを発生する2LのM20A‐FKSエンジンを搭載する
NX200は台湾専用モデルで173psを発生する2LのM20A‐FKSエンジンを搭載する

 そのレクサスは高級車が人気の台湾にあって急成長を遂げ、2024年の販売台数でNXは1万2474台も売れ新車販売ランキングでは6位となっている。こちらも台湾独自仕様となるNX200(2LNA)をラインナップし、人気となっている。

 彼もまた「町いちばん」という意味をよく理解している経営者といえるだろう。

 なぜトヨタは台湾で圧倒的なシェアを持つようになったのか? その答えはよき商品とよき経営者ということになるだろう。

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