昔から自社の「技術」を前面に推し出している日産。高い技術力から数々の名車を生み出し続けている反面、新技術に意欲的に取り組むからこその失敗もある。ここでは、日産が力を入れて開発し、惜しくも消えてしまった技術を取り上げる。
※本稿は2025年2月のものです
文:片岡英明/写真:日産、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年3月26日号
ターボ+スーパーチャージャー
初代マーチのラリーベース車として送り出したのがマーチRだ。ターボにスーパーチャージャーのダブル過給とし、1.3Lクラスに組み込ませるために排気量も930ccに下げた。このカタログモデルであるスーパーターボは、痛快無比のベビーギャングだ。
高回転域は力強いターボパワー、低回転域では瞬時にトルクを発生するダブル過給によって全域で冴えた加速を実現した。が、メカは複雑になるし、生産コストも高くなるから実験的な採用にとどまっている。
【画像ギャラリー】「技術の日産」は「チャレンジの日産」なのだ!! 眩いばかりの輝きを放ち消えていった日産の肝入り技術(16枚)画像ギャラリーエクストロイドCVT
革新的なATが、1999年に日産がY34型セドリック/グロリアに採用した世界初のトロイダル無段変速機、エクストロイドCVTだ。
パワーディスクとパワーローターを組み合わせ、その接触摩擦によるオイルの剪断力によってトルクの伝達を行う。滑らかに力強い加速を見せ、燃費もよかったが、高い工作精度が要求され、コストも壁となった。
【画像ギャラリー】「技術の日産」は「チャレンジの日産」なのだ!! 眩いばかりの輝きを放ち消えていった日産の肝入り技術(16枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方