■海外では新型投入も冷遇の日本市場。このままではファン離れは止まらない
そこまで考えると、国内におけるレガシィの取り扱いには不満がある。海外ではレガシィがフルモデルチェンジされ、2019年7月から北米で新型を生産しているのに、日本では旧型を継続販売しているからだ。しかも日本仕様は2019年9月に一部改良を実施したから、しばらくは旧型を売り続ける。
海外で売られる新型レガシィにもアウトバックとセダンがあり、設計の新しいスバル・グローバル・プラットフォームを採用する。ドライバーの運転状態をチェックして安全性を高めるドライバーモニタリングシステムも採用した。このように新型レガシィは走行安定性、予防安全性、衝突安全性などを幅広く向上させたから、日本のユーザーには、海外よりも危険な旧型レガシィを売ることになってしまう。
この点をスバルに尋ねると「従来型レガシィは、日本と北米でほぼ同時にフルモデルチェンジを行ったが、現行型は時間差が生じている。北米仕様は原材料やパーツなどの調達から生産までを北米中心に行い、日本仕様は日本が中心だ。同じ車種でも北米と日本仕様では生産に関する事情が異なり、設計変更も必要になるから、時間差が生じた」と説明している。
要は日本はレガシィにとって主力市場ではないため、フルモデルチェンジが後まわしにされた。このように日本のレガシィユーザーを冷遇していたら、現行型の売れ行きが最盛期の5%に落ち込んでも仕方がない。
スバルは安全を最優先させるメーカーで「0次安全」の考え方がある。良好な視界、扱いやすいスイッチ類など、デザインの段階、いい換えれば走り始める前から安全性を高める発想だ。旧型レガシィの国内販売は、このような安全にこだわるスバルの生き様に反するものだろう。
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