空気圧を高くすると燃費がよくなる?
タイヤの空気圧によって燃費が変化するのを知っているだろうか?
空気圧が低いとタイヤが過度にたわみ、転がり抵抗が増えて燃費が悪化する。適正空気圧より50kPa(約0.5気圧)不足している状態で走行した燃費悪化率(2Lの乗用車を使用して実験室で測定)は、市街地で2.5%、郊外で4.3%、高速道路で4.8%という結果が出ている。
JAFが2021年10月に行った「タイヤの空気圧不足、燃費への影響は?」(引用)というJAFユーザーテストでの結果を見ると空気圧によって燃費が悪化するのが明らか。適正空気圧を基準として、空気圧30%減では平均4.6%、60%減では平均12.3%悪化した。
また仮に1年間の燃料費を走行1万5000km走行、燃料価格が165円の場合、適正空気圧は13.0km/L=19万410円、30%減では12.4km/L=19万9650円、60%減では11.4km/L=21万7140円。適正空気圧に比べ燃料価格は、年間で30%減が+9240円、60%減が+2万6730円と相当変わってくるのだ。
では空気圧を高くした場合、低くした場合、乗り心地はどうなるのだろうか? 空気圧が高すぎると、タイヤの内圧が高くなり剛性が上がるので乗り心地も悪くなる。コツコツとちょっととがった感じの硬さが表れることが多い。
空気圧を低くすると、乗り心地はマイルドになる。ゴツゴツ、コツコツしていたショックの角が丸くなっていく。ただ、空気圧を低くするのはおよそ1割程度。空気圧にして0.2キロくらいにとどめておくといいだろう。
空気圧を0.5キロ低くすると、転がり抵抗が明らかに大きくなる。渋滞路だと燃費の低下はそれほど大きくないが、郊外路や高速道路になると、20km/Lくらい走るクルマだと0.3キロ前後変わってくることがある。クルマが前に進むのに抵抗が大きくなった感覚があり、アクセルの踏み込み力も気持ち多めになる。これはタイヤの変形量が大きくなりエネルギーロスも大きくなるから。
空気圧を低くすると、「スタンディングウエーブ現象」が起きやすくなり、タイヤがバーストする危険性が高くなるので要注意。これは、高速走行中にタイヤ接地面の後ろ側に文字通り波のような変形が起こり、タイヤが壊れてしまう現象だ。
空気圧の調整は、燃費だけでなく、乗り心地にかなり有効な調整ということを頭に入れてほしい。調整幅の目安は空気圧を上げるほうは最大0.2キロ、10%程度がお勧め。これで高速道路だと0.05~0.1km/Lくらい燃費向上が期待できるだろう。空気圧を下げるほうは、0.1キロ低くするだけで案外マイルドな乗り味が出てくる。
結論は空気圧を高めると燃費はよくなるが0.2キロが上限値。ただし、乗り心地が悪くなったり、タイヤの寿命を早める弊害もあるので注意したい。

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